裁判例結果詳細
行政事件 裁判例集
- 事件番号
平成16(行コ)163
- 事件名
取水等許可処分取消請求控訴事件(原審・長野地方裁判所平成10年(行ウ)第9号)
- 裁判年月日
平成17年3月9日
- 裁判所名
東京高等裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
1 建設大臣(現国土交通大臣)が河川法に基づき株式会社に対し発電用に河川及び湖からの取水を許可した処分の取消しを求める訴えにつき,同河川について漁業法6条5項5号の第五種共同漁業権を有する漁業組合の組合員には,原告適格が認められないとされた事例
2 建設大臣(現国土交通大臣)が河川法に基づき株式会社に対し発電用に河川及び湖からの取水を許可した処分の取消しを求める訴えにつき,同処分により自然享有権,環境権を侵害されたと主張する周辺住民には,原告適格が認められないとされた事例
- 裁判要旨
1 建設大臣(現国土交通大臣)が河川法に基づき株式会社に対し発電用に河川及び湖からの取水を許可した処分の取消しを求める訴えにつき,同河川について漁業法6条5項5号の第五種共同漁業権を有する漁業組合は河川法38条所定の関係河川使用者に該当するが,同組合の組合員は,漁業権を有する者ではないから関係河川使用者には当たらず,同組合の漁業権に基づいて漁業を営む権利を有するにすぎないから,原告適格は認められないとした事例
2 建設大臣(現国土交通大臣)が河川法に基づき株式会社に対し発電用に河川及び湖からの取水を許可した処分の取消しを求める訴えにつき,自然享有権,環境権は,これらを具体的な権利として認めるべき実定法上の根拠がなく,帰属主体,要件,効果等が不明確であるから権利として未成熟であり,河川法が水性動植物等の生存繁殖をも目的としているとしても自然享有権,環境権を個々人の個別的利益として保護していると解すべき余地はないなどとして,前記処分により自然享有権,環境権を侵害されたと主張する周辺住民らの原告適格を否定した事例
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