裁判例結果詳細
行政事件 裁判例集
- 事件番号
平成15(行ウ)53等
- 事件名
原爆症認定申請却下処分取消等請求事件
- 裁判年月日
平成18年5月12日
- 裁判所名
大阪地方裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(一部の者につき平成11年法律第160号による改正前)11条1項に基づく原爆症認定の各申請に対し,厚生労働大臣(前記一部の者については厚生大臣)がした同申請を却下する旨の各処分は,各申請者の疾病の放射線起因性についての判断を誤り違法であるなどとしてされた前記各処分の取消請求が,認容された事例
- 裁判要旨
原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(一部の者につき平成11年法律第160号による改正前)11条1項に基づく原爆症認定の各申請に対し,厚生労働大臣(前記一部の者については厚生大臣)がした同申請を却下する旨の各処分は,各申請者の疾病の放射線起因性についての判断を誤り違法であるなどとしてされた前記各処分の取消請求につき,原爆症認定申請に対し,放射線起因性の要件を判断するに当たっては,放射線被曝による人体への影響に関する統計的,疫学的及び医学的知見を踏まえつつ,当該申請者の被爆前の生活状況,健康状態,被爆状況,被爆後の行動経過,活動内容,生活環境,被爆直後に発生した症状の有無,内容,態様,程度,被爆後の生活状況,健康状態,当該疾病の発症経過,当該疾病の病態,当該疾病以外に当該申請者に発生した疾病の有無,内容,病態などを全体的,総合的に考慮して,原爆放射線被曝の事実が当該申請に係る疾病の発生を招来した関係を是認し得る高度の蓋然性が認められるか否かを経験則に照らして判断すべきであり,疾病・障害認定審査会原子爆弾被爆者医療分科会により作成された「原爆症認定に関する審査の指針」に定める原爆放射線の被曝線量並びに原因確率及びしきい値は,放射線起因性を検討するに際しての考慮要素の一つとして,他の考慮要素との相関関係においてこれを評価ししんしゃくすべきであって,これらを機械的に適用して当該申請者の放射線起因性を判断することは相当でないというべきであるとした上,爆心地から約1.5キロメートルないし約3.3キロメートルの地点にあって屋内又は屋外で被爆した者,原爆投下の当日の夜又は翌日に入市した者らのそれぞれの疾病である白内障,甲状腺機能低下症,胃がん,指有棘細胞がん,咽頭腫瘍,椎骨脳底動脈循環不全等の循環器系疾患,貧血及び肺がんについて放射線起因性及び要医療性の要件を具備していることなどから,前記各処分が違法であるとして,前記各請求を認容した事例
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