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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成15(行ウ)34等

事件名

 損害賠償請求住民訴訟事件,損害賠償請求事件

裁判年月日

 平成18年3月29日

裁判所名

 さいたま地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 市が,市の職員を土地区画整理組合に派遣し,同職員に対して給料等を支給したことが地方公務員法35条,地方自治法204条の2,公益法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律2条,6条等に反し違法であるとして,地方自治法242条の2第1項4号に基づき,市長に対し,前記組合に不当利得の返還の請求を,前記給与等の支出に関わった市長個人に損害賠償の請求をするようそれぞれ求める請求が,いずれも認容された事例

裁判要旨

 市が,市の職員を土地区画整理組合に派遣し,同職員に対して給料等を支給したことが地方公務員法35条,地方自治法204条の2,公益法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律(以下「公益法人等派遣法」という。)2条,6条等に反し違法であるとして,地方自治法242条の2第1項4号に基づき,市長に対し,前記組合に不当利得の返還の請求を,前記給与等の支出に関わった市長個人に損害賠償の請求をするようそれぞれ求める請求につき,前記職員の勤務形態,前記組合事務所で従事していた業務内容等に照らすと,前記職員は前記組合に派遣され専ら前記組合の業務に従事していたと認められるところ,公益法人等派遣法及びそれに基づく条例による適式な手続を踏むことなく職務命令によって前記職員を前記組合に派遣し,前記組合の業務に従事させたことは,地方公務員法35条,30条の趣旨に反し違法であり,前記給与等の支給は違法な公金の支出に当たるとした上,土地区画整理組合に職員を派遣し,その業務に専従させることは,公益法人等派遣法が施行された後は,他の法令に根拠を有する場合又は実務研修や兼業の場合を除き,公益法人等派遣法に定める諸種の手続きを踏まなければならないものであることは法令上明らかであるから,前記違法な派遣,業務従事及び給与等の支給につき,市長個人に過失が認められるとして,前記職員に支給された給与等のうち,同職員が従事した前記組合が行うべき事務の対価に相当する金額につき,前記各請求をいずれも認容した事例

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