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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成18(行ク)4

事件名

 仮の差止め申立事件(本案・当庁平成18年(行ウ)第4号除却命令差止請求事件)

裁判年月日

 平成18年1月13日

裁判所名

 大阪地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 都市公園法6条1項に基づく占用の許可を受けないで都市公園内にブルーシート製テント,木製工作物等を設置し,これらを起居の場所とし,日常生活を営んでいる者がした,市長に対し,都市公園法27条1項に基づく前記テント等の除去をしてはならない旨を求める差止めの訴えを本案とする同仮の差止めの申立てが,却下された事例

裁判要旨

 都市公園法6条1項に基づく占用の許可を受けないで都市公園内にブルーシート製テント,木製工作物等を設置し,これらを起居の場所とし,日常生活を営んでいる者がした,市長に対し,都市公園法27条1項に基づく前記テント等の除去をしてはならない旨を求める差止めの訴えを本案とする同仮の差止めの申立てにつき,仮の差止めの申立ては,本案訴訟である差止めの訴えが適法な訴えとして提起されていることをその適法要件としていると解されるとした上,行政事件訴訟法37条の4第1項にいう「一定の処分又は裁決がされることにより重大な損害を生ずるおそれがある場合」とは,それを避けるために事前救済としての当該処分又は裁決をしてはならないことを命ずる方法による救済が必要な損害を生ずるおそれがある場合をいい,一定の処分又は裁決がされることにより損害が生ずるおそれがある場合であっても,当該損害がその処分又は裁決の取消しの訴えを提起して同法25条2項に基づく執行停止を受けることにより避けることができるような性質のものであるときは,これに該当しないものと解すべきところ,都市公園法27条1項に基づき同項1号に該当する者に対してされる除去命令は,工作物等を除去すべき行政上の義務を賦課することを法的効果とする処分にすぎず,その執行を待たずに直ちにこれを受ける者に何らかの具体的な損害が発生するとは考え難く,また,除去命令が執行されることによりこれを受けた者に損害を生ずるおそれがあるとしても,そのような損害は,その処分又は裁決の取消しの訴えを提起して執行停止を受けることにより避けることができる性質のものであるから,前記差止めの訴えは,行政事件訴訟法37条の4第1項にいう「一定の処分又は裁決がされることにより重大な損害を生ずるおそれがある場合」の要件を欠く不適法な訴えというほかなく,前記仮の差止めの申立ても,本案訴訟としての適法な差止めの訴えの提起を欠く不適法なものであるとして,同申立てを却下した事例

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