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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成16(行ウ)506

事件名

 個人事業税賦課処分取消請求事件

裁判年月日

 平成18年1月27日

裁判所名

 東京地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 共有建物を賃貸して収入を得ていることが地方税法の定める「不動産貸付業」に該当するとして,当該共有建物全部に係る貸付面積及び賃貸料収入により事業規模を認定して行われた,個人事業税賦課決定処分が,適法とされた事例

裁判要旨

 共有建物を賃貸して収入を得ていることが地方税法の定める「不動産貸付業」に該当するとして,当該共有建物全部に係る貸付面積及び賃貸料収入により事業規模を認定して行われた,個人事業税賦課決定処分につき,事業税は,事業という収益活動の事実に担税力を見出して,事業そのものに対して課する税であり,事業が都道府県の公共サービスから受ける利益の対価としての性格を有するものであり,個別具体の収益活動が事業税課税の対象となる事業に該当するかどうかの判定は,当該収益活動の事実そのものに着目して行うべきものと解するのが相当であるとした上で,地方税法(平成15年法律第9号による改正前)72条5項4号(現行法72条の2第7項4号に相当)にいう不動産貸付業の認定基準として,貸付不動産が共有物件であっても,持分にかかわりなく,共有者各自の貸付件数等を算定するものとし,共有者各自につき共有物件全体に係る貸付面積及び賃貸料収入によって事業規模を認定すると定める「個人事業税課税事務提要」(平成7年3月31日6主課個第117号東京都主税局長通達)第3章第2節第4の4キの規定について,共有不動産の貸付けの場合,共有者間に不動産の各部についての独占的な使用収益の取り決めが存在するなど各共有者がそれぞれ独立に貸付けを行っているものと認められるような特段の事情のない限り,当該不動産の貸付部分の全部につき全共有者が共同して一括して貸し付けているものと評価することができるから,事業規模の判定に当たって,当該貸付けに係る共有不動産全体の面積及び賃貸料収入を基準とするという前記通達の考え方には,相応の合理性があるものというべきであるとして,同通達に基づいてされた前記賦課決定処分を適法とした事例

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