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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成16(行ウ)19等

事件名

 漁業不許可処分等取消請求事件

裁判年月日

 平成18年2月17日

裁判所名

 徳島地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 県知事から小型機船底びき網漁業の許可を受けていた者から船舶等を譲り受けた者が,同漁業の承継許可申請等について,県知事がした各不許可処分が違法であるとして,農林水産大臣に対する審査請求に対する裁決を経ないでした,前記各不許可処分の取消しを求める訴えが,適法とされた事例

裁判要旨

 県知事から小型機船底びき網漁業の許可を受けていた者から船舶等を譲り受けた者が,同漁業の承継許可申請等について,県知事がした各不許可処分が違法であるとして,農林水産大臣に対する審査請求に対する裁決を経ないでした,前記各不許可処分の取消しを求める訴えにつき,申請者は前記各不許可処分の約5年前にも同様の承継許可申請等を不許可とする処分等を受け(以下「先行不許可処分」という。),先行不許可処分に不服があるとして農林水産大臣に対して審査請求をしたが,裁決がされなかったため,取消訴訟を提起し(以下「前訴」という。),前訴第一審において,先行不許可処分を取り消す旨の判決を得たものの,控訴審において,前記承継許可申請等に係る許可の有効期間が経過したことにより,訴えが却下されてしまったものであるところ,申請者は前記各不許可処分について,底びき網漁業者の団体からの副申書を添付できないことを理由にしたという前回の審査請求及び前訴と共通の違法事由を主張していることに照らすと,前記各不許可処分について審査請求をしたとしても,農林水産大臣において,前回の審査請求の場合と異なる速やかな対応をとることは期待し難い上,前記承継許可申請等に係る許可の有効期間が3年間に限られていることから,審査請求の手続を経ていたのでは,前訴と同様に許可の有効期間を経過してしまう可能性が高いという事情にかんがみれば,申請者が裁決を経ないで前記各不許可処分の取消訴訟を提起したことは,行政事件訴訟法8条2項3号の裁決を経ないことにつき「正当な理由がある」ときに該当すると解するのが相当であるとして,前記訴えを適法とした事例

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