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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成17(行ウ)5

事件名

 公文書開示決定取消請求事件

裁判年月日

 平成18年2月7日

裁判所名

 鳥取地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 鳥取県情報公開条例に基づいてされた特定の宗教法人の役員名簿,財産目録等を第三者に開示する旨の決定に対し,同宗教法人がした取消請求が,一部認容された事例

裁判要旨

 鳥取県情報公開条例に基づいてされた特定の宗教法人の役員名簿,財産目録等を第三者に開示する旨の決定に対し,同宗教法人がした取消請求につき,宗教法人法25条4項により都道府県が提出を受けた役員名簿,財産目録等の書類の写しを管理する事務は,それらの書類の提出を受ける事務とは異なり,これを法定受託事務とする法令の定めがないから,自治事務に該当し,提出書類の公開に関する事務も,書類を管理する事務の一態様として自治事務に含まれると解すべきであるが,宗教法人の業務又は事業の管理運営の実態を正確に把握して,所轄庁としての権限行使の適正を図るという同項の趣旨にかんがみれば,書類の提出を受ける事務と書類を管理する事務とは一連の事務を構成し,相互に密接に関連するものというべきであって,同法を所管する文部科学大臣は,書類を管理する事務ひいては提出書類の公開に関する事務につき,地方自治法245条の9第1項による処理基準を定めることができると解するのが相当であるとした上で,文部科学大臣から文化庁次長に対して与えられた職務権限に基づいて定められた通知である「宗教法人法に係る都道府県の法定受託事務に係る処理基準について」(平成16年2月19日15庁文第340号各都道府県知事あて文化庁次長通知)は,同項にいう処理基準に当たり,同通知によれば,宗教法人法25条4項により提出された書類の開示請求に対しては,登記事項等の公知の事項を除き,原則として不開示とする取扱いをするものとされているところ,前記各文書は,いずれも非公知の事項であり,これを例外的に開示すべき特段の事情も認められないから,各文書は,前記条例9条2項1号にいう「実施機関が従わなければならない各大臣等の指示その他これに類する行為により公にすることができない情報」に当たり,これを開示した前記決定は違法であるとして,前記請求を一部認容した事例

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