裁判例結果詳細
行政事件 裁判例集
- 事件番号
平成18(行コ)13
- 事件名
所得税更正処分取消請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成16年(行ウ)第422号(原審第一事件),平成17年(行ウ)第333号(原審第二事件))
- 裁判年月日
平成18年4月27日
- 裁判所名
東京高等裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
1 所得税法施行令120条1項1号イにいう「取得」には,相続による承継取得が含まれるとされた事例
2 減価償却資産の償却費として不動産所得の金額の計算上必要経費に算入する金額の計算に当たり,相続により取得した建物について減価償却の方法として定額法を選定して確定申告をした後,減価償却の方法を定率法によるとしてした更正の請求に対し,税務署長がした更正をすべき理由がない旨の通知処分が,適法とされた事例
- 裁判要旨
1 所得税法施行令120条1項1号イの「取得」に相続による承継取得が含まれるかにつき,これが含まれない旨の明文の規定はなく,民法上も相続は不動産の取得原因の一つとされており,文理解釈上「取得」には,相続による承継取得も含まれると解される上,同号イにいう「取得」に,相続による承継取得が含まれないと解すべき合理的理由も認められないとして,同号イにいう「取得」には,相続による承継取得が含まれるとされた事例
2 減価償却資産の償却費として不動産所得の金額の計算上必要経費に算入する金額の計算に当たり,相続により取得した建物について減価償却の方法として定額法を選定して確定申告をした後,減価償却の方法を定率法によるとしてした更正の請求に対し,税務署長がした更正をすべき理由がない旨の通知処分につき,所得税法施行令120条1項1号イにいう「取得」に相続による承継取得が含まれ,選定し得る減価償却方法は,その相続による承継取得の時期に応じて,同号イ又はロによって定まるというべきであって,被相続人が選定していた減価償却方法を承継するとはいえないとした上,前記建物について選定し得る減価償却方法は同号ロにより定額法になるとして,前記通知処分を適法とした事例
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