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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成18(行ス)2

事件名

 執行停止申立却下決定に対する抗告事件(原審:大阪地方裁判所平成18年(行ク)第8号執行停止申立事件)

裁判年月日

 平成18年1月29日

裁判所名

 大阪高等裁判所

分野

 行政

判示事項

 都市公園内にブルーシート製テント又は木製工作物を設置するなどして,これらを起居の場所とし,日常生活を営んでいる者らに対して前記公園の公園管理者がした都市公園法27条1項に基づく前記テント等の除却命令の取消訴訟を本案とする当該除却命令の執行停止の申立てが却下された事例

裁判要旨

 都市公園内にブルーシート製テント又は木製工作物を設置するなどして,これらを起居の場所とし,日常生活を営んでいる者らに対して前記公園の公園管理者がした都市公園法27条1項に基づく前記テント等の除却命令の取消訴訟を本案とする当該除却命令の執行停止の申立てにつき,前記テント等を設置することについて,公園管理者から黙示の許可を受けているということはできず,前記テント等の設置による公園の占有は同法6条1項に違反すること,前記テント等が住居としての機能を果たしているとしても,同法27条1項は,除却命令の対象となる工作物等の種類,機能等を限定しておらず,かつ,前記除却命令及びこれに基づく代執行手続は,その対象物である前記テント等の除却のみを目的とするものであってその設置場所に係る占有を解くこと自体を目的とするものではなく,これに伴う占有の喪失は事実上生じる結果にすぎないことから,前記テント等の除却は行政代執行法2条所定の「他人が代わってなすことのできる行為」に該当すること,経済的,社会的及び文化的権利に関する国際規約(昭和54年条約第6号)11条1項は個人に対して具体的な権利を付与すべきことを定めたものではなく,前記除却命令が同項によって保障された権利を侵害するとはいえないこと,前記除却命令に基づく行政代執行が行われることにより前記相手方らが被る不利益の内容,性質及び程度に加えて仮設一時待避所及び自立支援センターについてのプライバシーの保護,入所期限等の問題などをしんしゃくしても,前記除却命令が,憲法13条及び25条の趣旨に照らして裁量権の範囲を超え,又はその濫用があったとして違法とすることはできないことなどから,「本案について理由がないとみえるとき」に当たるとして却下した事例

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