裁判例検索

裁判例結果詳細

行政事件 裁判例集

事件番号

 平成18(行コ)18

事件名

 裁決取消等請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成17年(行ウ)第45号)

裁判年月日

 平成18年5月11日

裁判所名

 東京高等裁判所

分野

 行政

判示事項

 建築物の近隣に居住する住民らが,特定行政庁である区長に対し,日影規制や窓先空地等に関する違反を理由に,当該建築物について建築基準法9条1項に基づく違反是正命令を発することの義務付けを求めた訴えが,不適法であるとされた事例

裁判要旨

 建築物の近隣に居住する住民らが,特定行政庁である区長に対し,日影規制や窓先空地等に関する違反を理由に,当該建築物について建築基準法9条1項に基づく違反是正命令を発することの義務付けを求めた訴えにつき,行政事件訴訟法37条の2第1項が同法3条6項1号のいわゆる非申請型の義務付けの訴えにおいて,「重大な損害を生ずるおそれ」があることを訴えの適法要件としたのは,このような内容の義務付けの訴えを認めることは,法令上の申請権がない者にあたかも申請権を認めることと同じような結果となることから,このような内容の訴訟上の救済を認めるのは,義務付けの訴えによる救済の必要性が高い場合に限られるべきと考えられたからであると解すべきであり,「重大な損害を生ずるおそれ」があることとは,義務付けの訴えによって救済されることが必要であると主張する原告自身に「重大な損害を生ずるおそれ」があることをいい,第三者に損害が生ずるおそれがある場合を含まないと解すべきであるところ,前記違反是正命令が発せられないことにより,前記住民ら自身に「重大な損害を生ずるおそれ」があるということはできないとして,前記訴えは不適法であるとした事例

全文