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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成17(行ウ)126

事件名

 行政文書不開示決定処分取消請求事件

裁判年月日

 平成19年1月30日

裁判所名

 大阪地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 エネルギーの使用の合理化に関する法律(平成17年法律第93号による改正前)11条に基づき第一種特定事業者である各事業者から提出された定期報告書の記載のうち,第一種エネルギー管理指定工場における燃料等の使用量及び電気の使用量の情報が,行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条2号イに定める法人等情報に該当しないとされた事例

裁判要旨

 エネルギーの使用の合理化に関する法律(平成17年法律第93号による改正前)11条に基づき第一種特定事業者である各事業者から提出された定期報告書の記載のうち,第一種エネルギー管理指定工場における燃料等の使用量及び電気の使用量の情報につき,行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条2号イの不開示情報に当たるといえるためには,主観的に他人に知られたくない情報であるというだけでは足りず,当該情報を開示することにより,当該事業者の権利や,公正な競争関係における地位,ノウハウ,信用等の利益を害するおそれが客観的に認められることが必要であり,上記のおそれが存在するといえるためには,単に事業者の利益が侵害され得るという抽象的な可能性が認められるだけでは足りず,法的保護に値する程度の蓋然性をもって利益侵害が生じ得ると認められることが必要と解するのが相当であるとした上,前記の燃料等の使用量及び電気の使用量の各数値情報が公になったとしても,第三者が当該工場及び製品単位当たりのエネルギーコストを正確に推計し,更にそこから製品単位当たりの製造原価を正確に推計することは困難であって,競業他社との競争上の不利益や,販売先事業者との価格交渉上の不利益等が生ずる可能性は,一般的には,いまだ抽象論のレベルにとどまるというべきであり,当該事業者の公正な競争関係における地位など正当な利益が害されるという法的保護に値する程度の蓋然性は,これを一般的に認めることができず,また,前記各工場の個別的な事情を併せ考えても,当該事業者の権利,競争上の地位その他正当な利益を害する情報であると認めることはできないとして,前記情報は同法5条2号イに定める法人等情報に該当しないとした事例

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