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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成17(行ウ)489

事件名

 裁決取消請求事件

裁判年月日

 平成18年9月26日

裁判所名

 東京地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 有線ラジオ放送の事業者が開示を請求した競業者に係る情報のうち,競業者が各総合通信局長に対し,有線ラジオ放送業務の運用の規正に関する法律3条に基づいて行った,有線ラジオ放送の設備の設置及び業務の開始届及び変更届に係る届出書の記載の一部又は添付書類の一部であって,届出に係る営業範囲の地域名を記載した部分,有線電気設備が設置されている場所を示す線路図,電柱に架線することの承諾書及び道路占用許可申請書等に記録された情報が,行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条2号イ所定の法人等情報に当たらないとされた事例

裁判要旨

 有線ラジオ放送の事業者が開示を請求した競業者に係る情報のうち,競業者が各総合通信局長に対し,有線ラジオ放送業務の運用の規正に関する法律3条に基づいて行った,有線ラジオ放送の設備の設置及び業務の開始届及び変更届に係る届出書の記載の一部又は添付書類の一部であって,届出に係る営業範囲の地域名を記載した部分,有線電気設備が設置されている場所を示す線路図,電柱に架線することの承諾書及び道路占用許可申請書等に記録された情報につき,前記各情報が開示されることになれば,競業者が同法上,仮に適法に事業を行うことができない地域において事業を行っていた場合には,その事実及び違法に事業が行われている地域が具体的に判明することになると認められるが,これは不適法な事業を行っていることによるやむを得ない結果というべきであって,そのような事実が開示されないことが公正な競争関係における地位に含まれるものということはできず,また,開示を請求した前記事業者が,前記各情報を入手し,競業者による違法営業の事実を具体的に把握した場合には,そのことを利用し競業者が適法に事業を行うことができる地域においても違法な事業が行われているかのような誤解を生じさせる宣伝広告活動を行う可能性は十分にあり得るものと考えられるが,そのような行為が行われたとしても,それがどの程度実効性を持つのかは疑問というべきであって,結局,憶測に基づいて競業者の違法営業の事実が指摘されている現状と比べ,前記各情報が開示され,客観的事実関係が明らかにされることによって競業者の公正な競争上の地位に看過し難い不利益が生ずるおそれがあると認めることは困難であるといわざるを得ないとして,前記各情報は行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条2号イ所定の法人等情報に当たらないとした事例

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