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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成14(行ウ)230

事件名

 損害賠償(住民訴訟)請求事件

裁判年月日

 平成18年11月24日

裁判所名

 東京地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 土木工事の指名競争入札において談合が行われた結果,受注予定者があらかじめ合意され,入札参加者間で公正な競争が確保された場合に形成されたであろう正常な落札価格と比較して不当に高い価格で落札がされ,市がその差額相当額の損害を受けたにもかかわらず,損害賠償請求権の行使を怠っているとして,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前)242条の2第1項4号に基づき,市に代位してした怠る事実の相手方である建設会社らに対する損害賠償請求が,いずれも一部認容された事例

裁判要旨

 土木工事の指名競争入札において談合が行われた結果,受注予定者があらかじめ合意され,入札参加者間で公正な競争が確保された場合に形成されたであろう正常な落札価格と比較して不当に高い価格で落札がされ,市がその差額相当額の損害を受けたにもかかわらず,損害賠償請求権の行使を怠っているとして,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前)242条の2第1項4号に基づき,市に代位してした怠る事実の相手方である建設会社らに対する損害賠償請求につき,公正取引委員会の立入検査の前後において,落札率に有意な差が見られるにもかかわらず,前記建設会社らにおいて落札価格の積算根拠等につき積極的かつ具体的な主張立証等を行わないこと,建設会社らの従業員の供述等により談合の成立を認めることができるとした上,損害額につき,民事訴訟法248条を適用して,請負契約における各契約金額の5パーセントに相当する金額を損害額と認定し,さらに,私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「独占禁止法」という。)25条に基づく損害賠償請求権と不法行為に基づく損害賠償請求権とについて,地方自治法その他の法令上,地方公共団体の長に,専ら独占禁止法25条に基づく損害賠償請求権の行使を選択して審決の確定まで訴えを提起しないことができるとする権限を付与する旨の規定は存在しないのであるから,市長が不法行為に基づく損害賠償請求権を行使しないことは違法であるとして,前記各請求をいずれも一部認容した事例

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