裁判例結果詳細
行政事件 裁判例集
- 事件番号
平成18(行コ)105
- 事件名
起債行為差止請求控訴事件(原審・大津地方裁判所平成18年(行ウ)第2号)
- 裁判年月日
平成19年3月1日
- 裁判所名
大阪高等裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
市が,道路を拡幅する道路建設事業費のための財源に充てるとしてする地方債の起債行為が,実質的には鉄道会社が所有管理する予定の新幹線の新駅建設に要する仮線工事のための財源に充てられるものであり,地方財政法5条等に反し違法であるとして地方自治法242条の2第1項1号に基づいてされた前記起債行為の差止めを求める請求が,認容された事例
- 裁判要旨
市が,道路を拡幅する道路建設事業費のための財源に充てるとしてする地方債の起債行為が,実質的には鉄道会社が所有管理する予定の新幹線の新駅建設に要する仮線工事のための財源に充てられるものであり,地方財政法5条等に反し違法であるとして地方自治法242条の2第1項1号に基づいてされた前記起債行為の差止めを求める請求につき,市は,県,市,鉄道会社等との間の基本協定書締結によって,新駅設置とそのための仮線工法の採用が決定した後に前記道路を拡幅する旨の都市計画道路変更決定をするまで,前記道路と新幹線の交差形態,道路拡幅工事の工法を,経済的合理性や技術的可能性の見地から検討したとは認められず,前記協定書締結やその後の関係首長会議での合意により,新駅建設のための仮線工事費の2分の1の負担が決定し,その財源確保の必要に迫られ,仮線工事を前記道路拡幅工事と同時,一体の工事であると説明して起債して財源を確保しようとして前記起債をするものと推認するのが相当であり,設置される仮線は,新駅建設工事のためのものであって,前記道路拡幅工事のためのものとは認められないから,前記起債は,地方財政法5条5号の道路の建設事業費の財源とする場合に該当せず,同条に反し違法であり,今後前記起債行為がされることが相当の確実さをもって予測されるとして,前記請求を認容した事例
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