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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成18(行ウ)14

事件名

 輸送施設使用停止処分等取消請求事件

裁判年月日

 平成19年2月13日

裁判所名

 大阪地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 1 地方運輸局長が一般旅客自動車運送事業者に対してした道路運送法40条に基づく運送施設使用停止命令処分の取消しを求める訴えにつき,同処分が停止期間経過により効果が消滅した後であっても訴えの利益があるとされた事例
2 地方運輸局長が一般旅客自動車運送事業者に対してした道路運送法40条に基づく運送施設使用停止命令処分が,行政手続法14条1項本文所定の理由の提示を欠き,違法であるとされた事例
 

裁判要旨

 1 地方運輸局長が一般旅客自動車運送事業者に対してした道路運送法40条に基づく運送施設使用停止命令処分の取消しを求める訴えにつき,同処分に定められた期間の経過等により本来的な効果が消滅したとしても,当該処分を受けた事実を将来の処分の加重事由としている場合など,当該処分がされたことを理由に法的な不利益を受けるおそれがあると認められる場合には,取消判決により当該処分を除去しなければ回復できない法的利益があり,訴えの利益があるといえるところ,行政手続法12条の要請により定められた道路運送法40条に基づく処分の基準(「一般乗用旅客自動車運送事業者に対する行政処分等の基準について」)によれば,処分等を受けた日から3年以内に同一営業所においてさらに同一事項の違反をした場合には,再違反として初犯の場合より加重された基準によって処分が決せられるとされており,これは同条に基づく処分において不利益に取り扱われるおそれにほかならなず,前記処分の日から未だ3年を経過していないから,訴えの利益があるとされた事例
2 地方運輸局長が一般旅客自動車運送事業者に対してした道路運送法40条に基づく運送施設使用停止命令処分につき,行政手続法12条に基づいて定められた処分基準に準拠して不利益処分を行う場合には,当該不利益処分に伴う理由提示の程度としては,いかなる事実関係に基づき,いかなる処分基準を適用して当該処分を行ったかを,処分の名あて人において理由書の記載自体から了知し得る程度に記載することを要するとした上,前記処分時に交付された「命令書」と題する書面には前記処分の根拠条文が記載されているだけであり,処分の基礎となった事実や処分基準を了知することはできないから,行政手続法14条1項本文所定の理由の提示を欠くとして,前記処分は違法であるとした事例

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