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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成18(行コ)125等

事件名

 各損害賠償請求控訴事件,附帯控訴事件(原審・さいたま地方裁判所平成15年(行ウ)第34号(第1事件),平成16年(行ウ)第30号(第2事件))

裁判年月日

 平成19年3月28日

裁判所名

 東京高等裁判所

分野

 行政

判示事項

 市が,市の職員を土地区画整理組合に派遣し,同職員に対して給料等を支給したことが地方公務員法35条,地方自治法204条の2,公益法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律2条,6条等に反し違法であるとして,地方自治法242条の2第1項4号に基づき,前記組合に不当利得の返還の請求を,前記給与等の支出に関わった市長個人に損害賠償の請求をすることを市長に対し求める請求が,いずれも棄却された事例

裁判要旨

 市が,市の職員を土地区画整理組合に派遣し,同職員に対して給料等を支給したことが地方公務員法35条,地方自治法204条の2,公益法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律(以下「公益法人等派遣法」という。)2条,6条等に反し違法であるとして,地方自治法242条の2第1項4号に基づき,前記組合に不当利得の返還の請求を,前記給与等の支出に関わった市長個人に損害賠償の請求をすることを市長に対し求める請求につき,前記職員は,前記組合において,土地区画整理組合補助金交付の申請,審査等の市の固有の事務に従事し,又は,県との協議等の土地区画整理法123条1項にいう援助事務に従事していたと評価することができ,仮に,これらの事務が市の固有事務又は前記援助事務に該当しないとしても,前記事務の内容は少なくとも,実質的に市の事務と同一視し得るような特段の事情があり,かつ,前記職員に対する市の指揮監督が及んでいる場合であると認められるから,地方公務員法35条等に反する違法があるということはできず,また,公益法人等派遣法2条1項の「公益法人等の業務に専ら従事させる」場合とは,本来の職務を全面的に免除されて,派遣先の業務にのみ従事させることであり,地方公共団体の職務に従事しつつ公益法人等の業務にも従事する兼業の場合には,これに当たらないとした上,前記の認定の下では,前記職員を前記組合の業務に専ら従事させたものとは言えないから,前記組合における前記職員の事務従事について,市公益法人派遣条例に定めがないことをもって公益法人等派遣法2条,6条等に反する違法があるということはできないとして,前記各請求をいずれも棄却した事例

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