裁判例結果詳細
行政事件 裁判例集
- 事件番号
平成17(行ウ)329
- 事件名
退去強制令書発付処分取消等請求事件
- 裁判年月日
平成19年4月13日
- 裁判所名
東京地方裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
ミャンマー連邦国籍を有する男性が,法務大臣がした出入国管理及び難民認定法49条1項に基づく異議の申出には理由がない旨の裁決は,前記男性が,ミャンマー連邦に送還されれば迫害を受けるおそれがあり,同法等に規定する難民に該当するにもかかわらず在留特別許可を認めなかった違法があり,同裁決を前提とする入国管理局主任審査官がした退去強制令書の発付処分も違法であるとしてした前記裁決及び前記処分の各取消請求が,認容された事例
- 裁判要旨
ミャンマー連邦国籍を有する男性が,法務大臣がした出入国管理及び難民認定法49条1項に基づく異議の申出には理由がない旨の裁決は,前記男性が,ミャンマー連邦に送還されれば迫害を受けるおそれがあり,同法等に規定する難民に該当するにもかかわらず在留特別許可を認めなかった違法があり,同裁決を前提とする入国管理局主任審査官がした退去強制令書の発付処分も違法であるとしてした前記裁決及び前記処分の各取消請求につき,前記男性のミャンマー及び我が国における政治活動そのものを理由として,同人がミャンマー連邦政府から迫害されるおそれがあると認めることはできないが,前記男性がミャンマー連邦の少数民族に属するカチン族に属する者であって,かつてミャンマー連邦政府の国軍と対立していたカチン独立機構及びカチン独立軍の創設者の妻であるとともに同人自身もタイ王国政府のひ護を受けて同国国籍を取得してビルマ女性連盟を設立して政治活動を行っている者を姉としていることから,前記男性は,カチン民族の中でもミャンマー連邦政府から特に注目される家系に属する者と認めるのが相当であること,前記男性の兄弟がミャンマー連邦政府により投獄されその後死亡し又は行方不明になっていること,前記男性が,ミャンマー及び我が国において一定程度の政治活動をしていたことなどからすれば,前記裁決当時,前記男性は,同法等に規定する難民に該当していたものと認められるところ,前記裁決は,前記男性が同法上の難民に該当するという当然に考慮すべき極めて重要な要素を一切考慮せずに行われたものであることなどから,法務大臣の裁量権の範囲を逸脱する違法な処分であり,前記裁決に従ってされた前記処分も違法であるとして,前記各請求を認容した事例
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