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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成16(行ウ)29

事件名

 法人税更正処分等取消請求事件

裁判年月日

 平成18年5月19日

裁判所名

 京都地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 債権者が,別会社に対して有する貸金債権について法人格否認の法理により債務者会社に対し不動産仮差押命令等を得ていた場合において,債務者会社が,当該貸金債務の遅延損害金を各事業年度の損金の額に算入してした法人税の申告について,前記損害金が当該事業年度終了の日までに確定していないとしてされた更正処分及び同処分に係る過少申告加算税の賦課決定処分が,いずれも適法とされた事例

裁判要旨

 債権者が,別会社に対して有する貸金債権について法人格否認の法理により債務者会社に対し不動産仮差押命令等を得ていた場合において,債務者会社が,当該貸金債務の遅延損害金を各事業年度の損金の額に算入してした法人税の申告について,前記損害金が当該事業年度終了の日までに確定していないとしてされた更正処分及び同処分に係る過少申告加算税の賦課決定処分について,ある金額をどの事業年度の損金として計上すべきかは,一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従って,損金についての義務が確定した時の属する年度に計上すべきものであり,義務が確定した時とは,単にその義務が発生しているだけでは足りず,客観的に見て義務の存在が確定していることを要するとした上,前記債務者会社は,前記債権者との間の別件訴訟において,別会社を借主とする貸金債務の存在及び法人格否認の法理により自社が当該貸金債務を負うことを争っており,各事業年度においては,別件訴訟はなお第一審係属中であったから,前記債務者会社が前記損害金の支払義務を負うことが客観的に見て確定したとはいえないとして,前記各処分をいずれも適法とした事例

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