裁判例検索

裁判例結果詳細

行政事件 裁判例集

事件番号

 平成17(行ウ)21

事件名

 産業廃棄物収集運搬業許可取消処分等取消請求事件

裁判年月日

 平成19年4月23日

裁判所名

 仙台地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 市長が,一般廃棄物及び産業廃棄物処理業の許可を受けていた業者に対し,同業者の株式を保有する訴外会社の100パーセント子会社が産業廃棄物処分業の許可を取り消されたことを理由に欠格要件に当たるとしてした前記各許可の取消処分が,いずれも取り消された事例

裁判要旨

 市長が,一般廃棄物及び産業廃棄物処理業の許可を受けていた業者に対し,同業者の株式を保有する訴外会社の100パーセント子会社が産業廃棄物処分業の許可を取り消されたことを理由に欠格要件に当たるとしてした前記各許可の取消処分につき,廃棄物の処理及び清掃に関する法律(平成17年法律第42号による改正前。以下同様)7条5項4号ニにおいて,「当該許可を取り消された者が法人である場合」について定めた趣旨は,法人としての業の許可を取り消された場合であっても,当該法人を解散し,全く同じ構成員のまま別法人を設立して新たな許可を取得したり,許可を取り消されて欠格要件に該当する者が役員としてではなく実質的に裏から経営の実権を掌握するなど,欠格要件を巧妙に回避する例がみられたことから,これに対処するため,許可を取り消された法人の役員を欠格要件に追加するとともに,いわゆる「黒幕」規定を設け,法人に対して役員と同等以上の支配力を有するものと認められる者は,欠格要件の適用に当たって,役員と同様の取扱いとすることとしたものであるところ,上記趣旨及び法人の役員は通常は自然人であることを考慮すると,同法7条5項4号ニが欠格要件として定めたところの,許可を取り消された法人の「役員」や法人に対して「支配力を有するものと認められる者」とは自然人をいうのであって,法人を含むものでないと解するのが相当であるとした上,訴外会社について法人格否認の法理が適用されるべき場合であることの主張,立証がないから,同会社は,同法7条5項4号ニにいう「支配力を有するものと認められる者」に当たらないとして,前記各許可の取消処分をいずれも取り消した事例

全文