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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成18(行コ)286

事件名

 公文書非公開決定取消請求控訴事件(原審・千葉地方裁判所平成17年(行ウ)第44号)

裁判年月日

 平成19年6月6日

裁判所名

 東京高等裁判所

分野

 行政

判示事項

 1 県立高等学校に土地を貸与している貸主の氏名,住所,賃借料の有無及び金額等の情報が,千葉県公文書公開条例(昭和63年千葉県条例第3号,平成12年千葉県条例第65号により廃止)11条2号所定の「個人に関する情報」に当たるとされた事例 
2 県立高等学校の学校活動及びPTA活動で行われた講演会の講師の氏名等の情報が,千葉県公文書公開条例(昭和63年千葉県条例第3号,平成12年千葉県条例第65号により廃止)11条2号所定の「個人に関する情報」に当たるとされた事例

裁判要旨

 1 県立高等学校に土地を貸与している貸主の氏名,住所,賃借料の有無及び金額等の情報につき,千葉県公文書公開条例(昭和63年千葉県条例第3号,平成12年千葉県条例第65号により廃止)11条2号所定の「個人に関する情報」から除外される「事業を営む個人の当該事業に関する情報」にいう「事業を営む」といえるためには,当該個人の当該活動が反復,継続されているようなものであって,かつ,当該個人の社会生活において相応の比重を占め,その活動を職業として行うと評価できるか,又は,それと同視できるようなものであることが必要というべきであるとした上,前記貸借については,地域の人間関係や学校教育への協力,援助の趣旨で,たまたま貸すというようなことがうかがわれるのであるから,特段の事情のない限り,学校用地に土地を貸していることをもって賃貸業という事業を営んでいると評価するのは相当でないところ,そうした特段の事情があるとは認められないなどとして,前記情報は,同号所定の「個人に関する情報」に当たるとした事例 
2 県立高等学校の学校活動及びPTA活動で行われた講演会の講師の氏名等の情報につき,千葉県公文書公開条例(昭和63年千葉県条例第3号,平成12年千葉県条例第65号により廃止)11条2号所定の「個人に関する情報」から除外される「事業を営む個人の当該事業に関する情報」にいう「事業を営む」といえるためには,当該個人のその活動が反復,継続されるようなもので,かつ,当該個人の社会生活において相応の比重を占め,職業として行うと評価できるものないしそれと同視できるようなものであることが必要であるとした上,各講演の演題,講演者の職業,講演場所,聴講者等に照らすと,各講演者が,経済的対価を得るなどの目的で行ったものと考えるのは困難であって,各学校との個人的な結びつき等から,学校教育の向上を願い,これに協力,援助する趣旨で,たまたま講演を引き受けたことがうかがわれるのであり,各講演者が講演という事業を営むなどとは認め難いというべきであり,また,講演者が公務員の場合についても,前記のように,公務の遂行とは無関係に,各学校との個人的な結びつき等からたまたま講演を引き受けたことがうかがえるのであるから,飽くまで公務員個人の私的領域にかかわるもので,私事に属するものということができるのであって,公務員の職務遂行に関する情報にも当たらないとして,前記情報は,同号所定の「個人に関する情報」に当たるとした事例

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