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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成14(行ウ)231

事件名

 損害賠償(住民訴訟)請求事件

裁判年月日

 平成19年7月26日

裁判所名

 東京地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 市が工事の施工等を委託した建設公社により発注された公共下水道に係る複数の工事について,指名競争入札において談合して特定の建設業者を受注予定者とする受注調整が行われた結果,入札参加者間で公正な競争が確保された場合に形成されたであろう正常な落札価格と比較して不当に高い価格で当該建設業者が落札し,市にその差額相当額の損害を与えたとして,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前)242条の2第1項4号に基づき,市に代位してした前記各工事を受注した各建設業者らに対する各損害賠償請求が,いずれも一部認容された事例

裁判要旨

 市が工事の施工等を委託した建設公社により発注された公共下水道に係る複数の工事について,指名競争入札において談合して特定の建設業者を受注予定者とする受注調整が行われた結果,入札参加者間で公正な競争が確保された場合に形成されたであろう正常な落札価格と比較して不当に高い価格で当該建設業者が落札し,市にその差額相当額の損害を与えたとして,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前)242条の2第1項4号に基づき,市に代位してした前記各工事を受注した各建設業者らに対する各損害賠償請求につき,当該地区における約80社の広域総合建設業者間において前記公社発注の工事について受注調整を行う事実上の慣行が存在したところ,前記各工事においては,前記慣行を背景として,前記各建設業者らのうち,当該工事に入札した業者らの各担当者により個別に談合があったと認められるとした上,損害額につき,民事訴訟法248条を適用して,前記各工事の請負契約における各契約金額の5パーセントに相当する金額を損害額と考えるのが相当であるとし,さらに,仮に私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律25条に基づく損害賠償請求の訴えを将来提起し得る可能性があるとしても,それにより既に発生している不法行為に基づく損害賠償請求権を行使しないことを正当化する理由とはならないから当該請求権を行使していないことは違法であるとして,前記各請求をいずれも一部認容した事例

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