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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成16(行コ)8

事件名

 食糧費情報公開請求控訴事件(原審・鹿児島地方裁判所平成8年(行ウ)第12号,差戻前の控訴審・福岡高等裁判所宮崎支部平成9年(行コ)第7号,上告審・最高裁判所平成11年(行ツ)第251号,同年(行ヒ)第194号)

裁判年月日

 平成18年10月19日

裁判所名

 福岡高等裁判所

分野

 行政

判示事項

 1 食糧費の支出に係る懇談会等の出席者名簿に記載された出席者の情報の一部が,旧鹿児島県情報公開条例(昭和63年鹿児島県条例第4号,平成12年鹿児島県条例第113号による全部改正前)8条2号に非開示事由として規定する個人情報に該当しないとされた事例 
2 食糧費の支出に係る懇談会等の出席者名簿に記載された出席者の情報の一部が,旧鹿児島県情報公開条例(昭和63年鹿児島県条例第4号,平成12年鹿児島県条例第113号による全部改正前)8条2号に非開示事由として規定する個人情報に該当するとされた事例

裁判要旨

 1 食糧費の支出に係る懇談会等の出席者名簿に記載された出席者の情報は,いずれも私人に関する情報であるとともに,個人を識別し得るものと認められるから,同情報は,原則として,旧鹿児島県情報公開条例(昭和63年鹿児島県条例第4号,平成12年鹿児島県条例第113号による全部改正前)8条2号に非開示事由として規定する個人情報に該当するものの,当該個人が法人等の代表者等であり,かつ,当該法人等の職務として行うなど当該法人等の行為そのものと評価される行為に関する情報と認められる場合には,当該情報は同号所定の個人情報には該当しないものということができるところ,前記情報のうち,所長,幹事長,支店長,支社長,会長,議長,社長,委員長,代表取締役,館長,東京営業所長という肩書は,一般的に当該法人等そのもの又は支店や営業所などといった一定の独立性を有する組織の長と評し得る地位にある者に付されるものということができ,また,副会長,副社長,常務取締役,常務理事,専務理事の肩書は,直ちに独立した組織の長とまでは評し得ないにしても,これに準じる地位にある者に付されるものということができるから,本件条例の趣旨及び目的からしても,当該個人が前記の各肩書を有する場合には,原則として,当該個人は,法人等の代表者等であるものと推認するのが相当であり,前記懇談会は,県知事の制作等について,有識者としての助言や意見交換を行うためのものであるので,前記記載の各肩書が付された個人は当該法人等の職務として懇談会に出席したものと推認するのが相当であるから,前記各肩書が付された個人に関する部分の情報は,前記条例8条2号に非開示事由として規定する個人情報に該当しないとした事例 
2 食糧費の支出に係る懇談会等の出席者名簿に記載された出席者の情報は,いずれも私人に関する情報であるとともに,個人を識別し得るものと認められるから,同情報は,原則として,旧鹿児島県情報公開条例(昭和63年鹿児島県条例第4号,平成12年鹿児島県条例第113号による全部改正前)8条2号に非開示事由として規定する個人情報に該当するものの,当該個人が法人等の代表者等であり,かつ,当該法人等の職務として行うなど当該法人等の行為そのものと評価される行為に関する情報と認められる場合には,当該情報は同号所定の個人情報には該当しないものということができるところ,前記情報のうち,事務長,事務局長,室長,監査室長の肩書が付されている者及び肩書のない者については,一般的に法人等の代表者等であると認めることはできないので,前記各肩書が付された個人に関する部分の情報は,前記条例8条2号に非開示事由として規定する個人情報に該当するとした事例

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