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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成19(行コ)8

事件名

 処分取消請求控訴事件(原審・高松地方裁判所 平成18年(行ウ)第10号)

裁判年月日

 平成19年8月31日

裁判所名

 高松高等裁判所

分野

 行政

判示事項

 1 建築基準法6条1項,同法施行規則1条の3に基づき建築確認申請の際に提出される建築計画概要書の第2面及び第3面記載の情報が,高松市情報公開条例(平成12年高松市条例第39号)7条1号本文所定の個人識別情報に該当するものの,同号ただし書ア所定の「法令等及び慣行により公にされ,公にすることが予定されている情報」に該当するとされた事例 
2 高松市情報公開条例(平成12年高松市条例第39号)に基づく情報公開請求が,営利事業の一環として大量に行われていることなどから,権利の濫用に当たるとの主張が,排斥された事例

裁判要旨

 1 建築基準法6条1項,同法施行規則1条の3に基づき建築確認申請の際に提出される建築計画概要書の第2面及び第3面記載の情報につき,住宅地図,電話帳,不動産登記簿等一般人が入手し得る他の情報と照合することにより,建築主の氏名等を特定することが可能となると認められるから,高松市情報公開条例(平成12年高松市条例第39号)7条1号本文所定の個人識別情報に該当するが,他方,建築基準法93条の2の規定に基づく閲覧制度は,周辺住民の協力の下に違反建築物の建築を未然に防止するとともに,無確認,違反建築物の売買等を防止するという趣旨で設けられた制度であり,同条所定の処分及び報告のうち,建築物やその敷地の所有者等の権利利益を不当に侵害するおそれがないものとして国土交通省令で定めるものについては,規定上その閲覧を制限する文言はなく,何人であってもこれを閲覧することが可能な仕組みになっているところ,建築計画概要書は前記国土交通省令で定めるものとして閲覧対象に含まれるものであるから,前記情報は,高松市情報公開条例(平成12年高松市条例第39号)7条1号ただし書ア所定の「法令等及び慣行により公にされ,公にすることが予定されている情報」に該当するとした事例 
2 高松市情報公開条例(平成12年高松市条例第39号)に基づく情報公開請求が,営利事業の一環として大量に行われていることなどから,権利の濫用に当たるとの主張につき,同条例では,開示請求の対象とされた行政文書を非公開とすることができるかどうかについては,当該文書に記載された情報の内容に基づいて判断するという基本的な枠組みが採られており,その際に請求者と当該文書との関連性や請求者の利用目的について考慮することは予定されていないと解されるなどとして,前記主張を排斥した事例

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