裁判例結果詳細
行政事件 裁判例集
- 事件番号
昭和58(行ウ)125
- 事件名
扶助料請求棄却処分取消請求事件
- 裁判年月日
昭和62年3月19日
- 裁判所名
東京地方裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
1 審査請求人が未成年者である場合における行政事件訴訟法14条4項所定の「裁決があつたことを知つた日」の意義
2 公務員と法律上婚姻関係にあるが,9年余り別居生活を送ってきた者が,その別居は当事者の離婚の合意に基づくものではなく,また,夫婦共同生活の断絶が固定化していたということもできないから,右法律上の婚姻関係は,全く実体を失い形がい化していて法律上の離婚があったのと同視し得るような特段の事情があるということはできないとして,恩給法72条に定める「配偶者」に当たるとされた事例
3 公務員である配偶者と別居後も同人が残した現金及び恩給等により生計を維持し,恩給を受給できなくなった後は,公務員の死亡の1年2箇月位前までは婚姻費用分担の審判に基づき定期に一定額の金員の支給を受け,その後も右審判に基づきいつでも婚姻費用の支給を受くべき法的地位にあった公務員の配偶者が,法律上の配偶者は,公務員に配偶者に対する扶養義務,婚姻費用分担義務ないし同居義務を負わせることが極めて不合理であると認められる特段の事情のない限り,現に公務員により生計を維持し又はこれと生計を共にした者であるか否かにかかわらず,原則として,恩給法72条1項の規定する「遺族」に当たるとして,同条項に規定する「遺族」に当たるとされた事例
4 死亡した公務員の婚姻外の子に対してされた扶助料の裁定請求を棄却する旨の裁定が,法律上の配偶者が扶助料受給権を失うベき事情は認められないから,右子は,扶助料を受給することのできる遺族に該当しないとして,適法とされた事例
- 裁判要旨
1 行政事件訴訟法14条4項所定の「裁決のあつたことを知つた日」とは,審査請求人が未成年者である場合には,その法定代理人である親権者が裁決書の謄本を受領するなどして裁決のあったことを現実に知った日を指す。
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