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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成19(行ウ)155

事件名

 産業廃棄物収集運搬業許可取消処分取消請求事件

裁判年月日

 平成19年9月26日

裁判所名

 東京地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 同一人が複数の会社の役員に就任している場合において,一方の会社が廃棄物の処理及び清掃に関する法律14条5項2号ニに該当するとして産業廃棄物運搬業等の許可を取り消されたことにより,他方の会社についても,当該役員が同法7条5項4号ニに該当することにより同法14条5項2号ニに該当することになったとして,同法14条の3の2第1項1号に基づく産業廃棄物収集運搬業の許可の取消処分がされたことから,後者の会社が,当該取消処分に係る同法の規定は憲法22条1項に反し違憲無効であるとしてした前記取消処分の取消請求が,棄却された事例

裁判要旨

 同一人が複数の会社の役員に就任している場合において,一方の会社が廃棄物の処理及び清掃に関する法律14条5項2号ニに該当するとして産業廃棄物運搬業等の許可を取り消されたことにより,他方の会社についても,当該役員が同法7条5項4号ニに該当することにより同法14条5項2号ニに該当することになったとして,同法14条の3の2第1項1号に基づく産業廃棄物収集運搬業の許可の取消処分がされたことから,後者の会社が,当該取消処分に係る同法の規定は憲法22条1項に反し違憲無効であるとしてした前記取消処分の取消請求につき,欠格要件に該当するに至った産業廃棄物処理業者に対する許可の取消処分の義務化を定めた同号による規制は,法に従った適正な業の遂行を期待することができる産業廃棄物処理業者のみによる産業廃棄物処理業の運営を図ることによって終局的には国民の生命,健康,財産等に対する危険を防止することを目的とするものと解され,さらに,同規制が良好な生活環境の保全等を図ることを目的としていることからすれば,いわゆる環境規制の一環として,単なる消極的又は警察的規制であるというにとどまらず,社会政策的規制の側面があることも否定できないと解されるが,いずれにしても重要な公共の利益のためにされる措置であるということができるとした上,そもそも欠格要件に該当する者に対しては,法令を遵守した上での適正処理能力を備えることを期待することができないことから,産業廃棄物処理業の許可を付与することができないとされているところ,その許可の取得後に同要件に該当するに至った者について同許可を取り消すものとすることは,同要件に類型化された不適格性を有する産業廃棄物処理業者を排除することにより,終局的には国民の生命,健康,財産等に対する危険を防止するため必要かつ合理的な措置であるということができるから,同法14条の3の2第1項及び14条5項2号ニの規定に基づく前記取消処分は違憲の問題を生じるものではないとして,前記請求を棄却した事例

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