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行政事件 裁判例集

事件番号

 昭和61(行ウ)12

事件名

 行政処分の取消請求事件

裁判年月日

 昭和63年7月4日

裁判所名

 岐阜地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 1 受刑者による著作物の外部投稿の自由を制限することは,憲法21条に違反するか 
2 受刑者からの著作物の外部投稿の出願を不許可とした刑務所長の処分が,監獄法は,受刑者がする著作物の外部投稿の自由の制限に関し,明文の規定を置いていないが,その性質の許す限り,信書の発信に関する同法46条の規定に準じて取り扱うベきものと解するののが相当であるところ,同所長は,右出願が同条2項ただし書所定の信書発信許可事由である「特ニ必要アリト認ムル場合」に当たらないとして右出願を不許可としたものであり,右の認定判断に誤りはないから,裁量権を逸脱・濫用した違法はないとされた事例 
3 刑務所長が,受刑者に対して,信書発信の不許可処分をする際に,処分の理由を告知しなくても違法でないとした事例 
4 監獄における信書の検閲,発受に関する処分が,出願のあった日から40日を経過してされた場合でも,このように期間を要したことについて相当の理由がある場合には,右処分は,監獄法施行規則(明治41年司法省令第18号)136条に違反しないとした事例

裁判要旨

 1 受刑者による著作物の外部投稿の自由を制限することは,それが行刑の目的及び施設における紀律保持の目的のために行われる必要最小限のものである限り,憲法21条に違反しない。

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