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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成18(行コ)5

事件名

 損害賠償代位等住民訴訟請求控訴事件(原審・鳥取地方裁判所平成12年(行ウ)第2号)

裁判年月日

 平成19年10月17日

裁判所名

 広島高等裁判所  松江支部

分野

 行政

判示事項

 清掃工場建設工事の指名競争入札に先立ち,指名業者らによる談合が行われ,談合がなければ形成されたであろう契約額より高い価格での落札がされ,市がその差額相当額の損害を受けたにもかかわらず,損害賠償請求権の行使を怠っているとして,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前)242条の2第1項4号に基づき,市に代位してした怠る事実の相手方である建設会社に対する損害賠償請求が,一部認容された事例

裁判要旨

 清掃工場建設工事の指名競争入札に先立ち,指名業者らによる談合が行われ,談合がなければ形成されたであろう契約額より高い価格での落札がされ,市がその差額相当額の損害を受けたにもかかわらず,損害賠償請求権の行使を怠っているとして,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前)242条の2第1項4号に基づき,市に代位してした怠る事実の相手方である建設会社に対する損害賠償請求につき,談合の対象となった工事を特定し,受注予定者が入札参加者間の合意により事前に決定されたことを主張すれば,他の談合行為に関する事実と識別することが可能となり,請求原因事実としては特定しているとした上,指名業者のうち前記建設会社を含む大手数社による談合行為のみならず同大手数社と他の入札参加業者との間の談合行為があったものと認定し,市の損害額については,平成17年の私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の改正による課徴金の引き上げに関し,公正取引委員会が,過去の違反事例について実証的に不当利得を推計したところ,平均して,売上額の16.5パーセント程度,約9割の事件で売上額の8パーセント以上の不当利得が存在するという結果が得られたことに照らすと,前記建設会社には,少なくとも契約金額の8パーセントの不当利得があったと推認されるとして,前記請求を一部認容した事例

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