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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成18(行コ)38

事件名

 所得税更正処分取消請求控訴事件(原審・長崎地方裁判所平成17年(行ウ)第6号)

裁判年月日

 平成19年10月25日

裁判所名

 福岡高等裁判所

分野

 行政

判示事項

 生命保険契約に基づき,当該保険の契約者の死亡によって同人の相続人が受け取った特約年金が雑所得に当たるとしてした所得税の更正の取消請求が,棄却された事例

裁判要旨

 生命保険契約に基づき,当該保険の契約者の死亡によって同人の相続人が受け取った特約年金が雑所得に当たるとしてした所得税の更正の取消請求につき,所得税法9条1項15号の規定は,相続財産ないし相続により取得したものとみなされる財産に基づいて被相続人の死亡後に相続人に実現する所得に対する課税を許さないとの趣旨を含むものではないとした上,被相続人が自己を保険契約者及び被保険者とし,共同相続人の一部の者を保険金受取人と指定して締結した生命保険契約において,相続税法(平成15年法律第8号による改正前)3条1項1号にいう「保険金」は保険金請求権を意味し,所得税法9条1項15号により所得税の課税対象とならない財産は,保険金請求権という権利であるところ,前記相続人が受け取った特約年金それ自体は,前記特約年金の受給権に基づいて相続人の死亡後に発生する支分権から生じたものであり,保険金請求権たる前記特約年金の受給権とは法的に異なるものであって,前記「保険金」には当たらないから,前記特約年金を所得税の対象としてした前記更正は適法であるとして,前記請求を棄却した事例

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