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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成16(行ウ)537

事件名

 私立学校法による学校法人解散命令取消請求事件

裁判年月日

 平成19年9月28日

裁判所名

 東京地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 私立学校法25条1項の資産保有義務違反を理由として同法62条1項に基づいてされた解散命令の取消請求が,棄却された事例

裁判要旨

 私立学校法25条1項の資産保有義務違反を理由として同法62条1項に基づいてされた解散命令の取消請求につき,前記資産保有義務は,学校法人及び同法64条4項に基づいて設立された法人(以下「準学校法人」という。)に資産の保有を義務付けることによって,学校経営を安定的に維持し,学校教育に支障を来さないことを期する趣旨であると考えられ,前記資産保有義務を果たしていることが学校法人及び準学校法人の設立を目的とする寄附行為の認可要件とする同法31条にかんがみれば,学校法人及び準学校法人は,現に必要な資産を保有しているという客観的状態にあることを要すると解されるのであり,また,同法62条1項に規定する「他の方法により監督の目的を達することができない場合」とは,都道府県知事が,当該学校法人及び準学校法人に対し必要な報告書の提出を求めるなどして行政指導を行っても,資産保有義務違反の状態が長期にわたり改善が図られず,近い将来に改善される見込みがなく,当該学校法人及び準学校法人が同法50条1項所定の自主解散の手続を執ることも見込まれない場合をいうと解すべきであるとした上,前記法人は,前記解散命令当時において,校地及び校舎はもとより,これを取得するに足りる資金を保有しておらず,前記資産保有義務に違反していたものと認められ,かつ,知事が,同法人につき同解散命令を行う以外に監督の目的を達することができないと判断したことについては,裁量権の逸脱又は濫用があったとは認められないとして,前記請求を棄却した事例

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