裁判例結果詳細
行政事件 裁判例集
- 事件番号
平成19(行コ)229
- 事件名
住民票不記載処分取消等請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成18年(行ウ)第309号)
- 裁判年月日
平成19年11月5日
- 裁判所名
東京高等裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
1 出生届が受理されていないことを理由に住民票の記載をされなかった者がした,東京都の特別区の区長が同人の住民票の記載をしない処分の取消請求が,棄却された事例
2 出生届が受理されなかったことを理由に住民票が作成されていない者がした住民票の作成を求める訴えが,行政事件訴訟法3条6項1号に規定するいわゆる非申請型義務付け訴訟に当たるとした上,不適法とされた事例
- 裁判要旨
1 出生届が受理されていないことを理由に住民票の記載をされなかった者がした,東京都の特別区の区長が同人の住民票の記載をしない処分の取消請求につき,子が出生したことにより住民票の記載がされるべき場合については,住民基本台帳法施行令12条2項1号がその手続を定めているものであって,市町村長が出生届を受理することにより,その後の手続は職権によって住民票に出生した子の記載をすることとされており,また,同条各項以外の場合において住民票の職権記載をすることは予定されていないとした上,前記区長は,前記出生届が受理されていないことを理由として,住民票の記載をしないという前記処分をしたものであって,何ら違法なものとは認められないとして,前記請求を棄却した事例
2 出生届が受理されなかったことを理由に住民票が作成されていない者がした住民票の作成を求める訴えにつき,前記訴えは,行政事件訴訟法3条6項1号に規定するいわゆる非申請型義務付けの訴えであるところ,前記の者は2歳であるから,選挙権について不利益が現実化しているものではなく,また,住民登録が要求される諸手続についても,住民登録又は住民票がなくても,手続において煩瑣の点があり得るとしても,これらがある者と同じ扱いをされる場合が多いことからすると,住民票が作成されないことによって,前記の者に同法37条の2第1項の「重大な損害を生ずるおそれ」があるとはいえないとして,前記訴えを不適法とした事例
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