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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成19(行コ)7

事件名

 課税処分取消請求控訴事件(原審・松山地方裁判所平成14年(行ウ)第12号)

裁判年月日

 平成19年11月29日

裁判所名

 高松高等裁判所

分野

 行政

判示事項

 相続により取得した取引相場のない株式の価額を算出する基礎となる当該株式の発行会社等が所有する船舶の課税時期における価額の評価につき,財産評価基本通達(昭和39年4月25日付け直資56,直審(資)17国税庁長官通達(平成10年9月10日付け課評2−10,課資2−264による改正前))136に定める船舶の価額の評価方法によらず,取得価額を基準として取得時から課税時期までの期間の減価償却費の合計額を控除した額が評価額であるとしてされた更正処分及び過少申告加算税賦課決定処分が,いずれも適法とされた事例

裁判要旨

 相続により取得した取引相場のない株式の価額を算出する基礎となる当該株式の発行会社等が所有する船舶の課税時期における価額の評価につき,財産評価基本通達(昭和39年4月25日付け直資56,直審(資)17国税庁長官通達(平成10年9月10日付け課評2−10,課資2−264による改正前),以下「評価通達」という。)136に定める船舶の価額の評価方法によらず,取得価額を基準として取得時から課税時期までの期間の減価償却費の合計額を控除した額が評価額であるとしてされた更正処分及び過少申告加算税賦課決定処分について,評価通達に定められた評価方式によって当該財産の価額を評価することができず,この方式によって評価しようとした場合にはかえって課税事務の停滞をまねき,納税者の便宜にも反するような特段の事情がある場合には,他の合理的な時価の評価方法によって当該財産を評価することも許されると解するのが相当であるとした上,前記船舶の調達価額及び同船舶と同種同型の船舶又は類似する船舶の新造船価(以下「調達価額等」という。)を把握することが困難であるため,評価通達136に定められた評価方式によって前記船舶の価額を評価することができず,この方式によって前記船舶を評価するためにさらに調査を継続することは課税事務の停滞を招くことに照らすと,前記特別の事情があったということができ,また,調達価額等が不明である場合に,取得価額を基準として取得時から課税時期までの期間の減価償却費の合計額を控除する方式を採用することも合理的であるということができるとして,前記各処分を適法とした事例

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