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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成18(行ウ)22

事件名

 公文書非開示処分取消請求事件

裁判年月日

 平成19年12月21日

裁判所名

 高知地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 県立病院において発生した医療事故に関して作成された医療事故報告書,事故対策委員会報告書,医療事故調査報告書,医師法21条による報告書及び医療事故保険の手続文書に記載された患者の病態,患者・家族の既往歴,診療内容・状況,担当医師名等の診療に関与した職員の情報,治療費等の支払状況,医療事故が発生した場合における交渉経過等の情報及びそれに付随する一切の情報が,いずれも高知県情報公開条例(平成2年高知県条例第1号)6条1項2号後段の「特定の個人を識別することはできないが,公にすることにより,なお個人の権利利益を害するおそれのある情報」に当たるとされた事例

裁判要旨

 県立病院において発生した医療事故に関して作成された医療事故報告書,事故対策委員会報告書,医療事故調査報告書,医師法21条による報告書及び医療事故保険の手続文書に記載された患者の病態,患者・家族の既往歴,診療内容・状況,担当医師名等の診療に関与した職員の情報,治療費等の支払状況,医療事故が発生した場合における交渉経過等の情報及びそれに付随する一切の情報(以下「患者情報」という。)につき,一般に,患者情報は,個人に関する情報のうちでも最も他人に知られたくない類のもので,患者や患者が死亡した場合その遺族にとっては,その意に反しみだりに開示されることを欲しないであろうし,そうされることはないと期待すると思われるところ,そのような期待は,これをプライバシー権というか否かは別として,法的保護に十分に値する利益であるとした上,前記医療事故に関しては,患者情報を開示することについて,前記患者の遺族の同意を得ることが困難であること,前記患者の遺族において,患者情報がその意に反しみだりに開示されないという期待利益を放棄した事情も認められないことからすると,前記各情報を開示すれば,前記患者の遺族の患者情報をその意に反しみだりに開示されないという,法的保護に十分に値する期待利益を害するおそれがあるといわざるを得ないとして,前記各情報はいずれも高知県情報公開条例(平成2年高知県条例第1号)6条1項2号後段の「特定の個人を識別することはできないが,公にすることにより,なお個人の権利利益を害するおそれのある情報」に当たるとした事例

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