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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成19(行ウ)2

事件名

 個人情報部分不開示決定処分取り消し等請求事件

裁判年月日

 平成20年2月26日

裁判所名

 水戸地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 茨城県個人情報の保護に関する条例(平成5年茨城県条例第2号)に基づき開示請求された,開示請求者本人に係る精神保健及び精神障害者福祉に関する法律に基づく措置入院に関する一切の資料のうち,(1)「精神障害者等診察(保護)申請書」中の「症状の概要」欄記載の情報,(2)「措置入院に関する診断書」中の「生活歴及び現病歴」欄,「問題行動,現在の病状又は状態象」欄及び「診察時の特記事項」欄記載の各情報,(3)「措置入院に至る経過等について」のうち「概要」欄記載の情報及び「経過」の表に記載されている情報(関係者(情報提供者)の個人名等個人を特定識別し得る部分を除く。),(4)「措置入院者の症状消退届」に記載されている「入院以降の病状又は状態像の経過」欄記載の情報,(5)「弁明書」に記載されている情報,(6)「報告・連絡書」に記載されている情報(関係者(情報提供者)の個人名,保健所職員の氏名及び職名,医師名等個人を特定識別し得る部分を除く。)が,前記条例15条4号所定の非開示事由(事務事業情報)に該当しないとされた事例

裁判要旨

 茨城県個人情報の保護に関する条例(平成5年茨城県条例第2号)に基づき開示請求された,開示請求者本人に係る精神保健及び精神障害者福祉に関する法律に基づく措置入院に関する一切の資料のうち,(1)「精神障害者等診察(保護)申請書」中の「症状の概要」欄記載の情報,(2)「措置入院に関する診断書」中の「生活歴及び現病歴」欄,「問題行動,現在の病状又は状態象」欄及び「診察時の特記事項」欄記載の各情報,(3)「措置入院に至る経過等について」のうち「概要」欄記載の情報及び「経過」の表に記載されている情報(関係者(情報提供者)の個人名等個人を特定識別し得る部分を除く。),(4)「措置入院者の症状消退届」に記載されている「入院以降の病状又は状態像の経過」欄記載の情報,(5)「弁明書」に記載されている情報,(6)「報告・連絡書」に記載されている情報(関係者(情報提供者)の個人名,保健所職員の氏名及び職名,医師名等個人を特定識別し得る部分を除く。)につき,措置入院は,本人の意思にかかわらず強制的に入院させる制度であるから,措置入院者が事後的に措置入院に至る過程を知りその判断の当否について検討する権利は尊重に値するというべきところ,前記開示請求部分に記載されている指定医の診察内容や職員が関係者から得た聴取結果等は,前記開示請求者の生活実態等に関する客観的事実に基づいて,指定医等精神障害者等の福祉に携わる者の専門的な知見に基づく評価・判断が記載されるものと考えられ,指定医等が,このような事項について,専門的知見に基づいて公正に評価・判断している限り,個人識別情報を除く部分を開示したからといって,指定医等が,否定的な評価をありのままに記載することを差し控えたり,画一的な記載に終始したりするようになるとまでは考え難く,前記開示請求部分を開示することにより,措置入院業務をはじめとする精神保健福祉業務遂行に必要な情報の入手や正確な情報の把握が困難になり,精神保健福祉業務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるとまではいえないとして,前記各情報は,前記条例15条4号所定の非開示事由(事務事業情報)に該当しないとした事例

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