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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成19(行コ)23

事件名

 法人税更正処分等取消請求控訴事件(原審・松山地方裁判所 平成18年(行ウ)第15号)

裁判年月日

 平成20年2月15日

裁判所名

 高松高等裁判所

分野

 行政

判示事項

 1 建物のみを譲渡資産として土地等を買換資産とした場合における租税特別措置法65条の7第2項の適用の有無
2 法人が,譲渡資産を建物のみとし,買換資産を土地とした買換えをした場合に,租税特別措置法65条の7第2項を適用し,譲渡資産である土地の面積が零となり取得した土地の面積の全部が零を超える部分に対応するものとなることから,取得した土地は同条1項の買換資産には該当しないものとなり,同項22号に規定する固定資産圧縮損加算の特例の適用は認められないとしてされた法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分の各取消請求が,いずれも棄却された事例
 

裁判要旨

 1 土地の不急需要を招くなど土地政策上好ましくない結果を生じていたことに対処するために規定された租税特別措置法65条の7第2項の立法経緯及び趣旨は,建物のみを譲渡資産として土地等を買換資産とした場合にも妥当すること,同条2項は,「前項の規定を適用する場合」と規定して同条1項が適用されるすべての場合を予定し,面積制限の規定は,買換資産のうちに土地等がある場合に,買換資産に該当しないものとする範囲を面積の比較により規定しようとしたのであって,譲渡資産を建物のみとする場合を特に排除するような文言とはなっていないことなど,立法の経緯や趣旨及び条文の文言に照らすと,同条2項は,土地等を譲渡資産とし,土地等を買換資産とする場合に,譲渡資産である土地等の面積に比較して不相当な面積の土地等が買換資産とされた場合だけでなく,建物のみを譲渡資産として土地等を買換資産とした場合も適用される。
2 法人が,譲渡資産を建物のみとし,買換資産を土地とした買換えをした場合に,租税特別措置法65条の7第2項を適用し,譲渡資産である土地の面積が零となり取得した土地の面積の全部が零を超える部分に対応するものとなることから,取得した土地は同条1項の買換資産には該当しないものとなり,同項22号に規定する固定資産圧縮損加算の特例の適用は認められないとしてされた法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分の各取消請求につき,同条2項は,土地等を譲渡資産とし,土地等を買換資産とする場合に,譲渡資産である土地等の面積に比較して不相当な面積の土地等が買換資産とされた場合だけでなく,建物のみを譲渡資産として土地等を買換資産とした場合も適用されると解すべきであるから,同項を適用してした前記各処分はいずれも適法であるとして,前記各請求をいずれも棄却した事例 

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