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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成18(行ウ)267

事件名

 建物所有権移転登記申請却下処分取消等請求事件

裁判年月日

 平成19年6月15日

裁判所名

 東京地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 建物の所有権が甲から乙,乙から丙と順次移転し,甲乙丙三者が登記権利者を丙,登記義務者を甲として登記することに異議なく同意した旨を記載した登記原因証明情報を提供してした所有権移転登記(いわゆる中間省略登記)の申請に対し,登記官が,申請情報の内容と登記原因証明情報の内容とが合致せず,不動産登記法25条8号の却下事由に該当するとしてした却下処分の取消請求が,棄却された事例

裁判要旨

 建物の所有権が甲から乙,乙から丙と順次移転し,甲乙丙三者が登記権利者を丙,登記義務者を甲として登記することに異議なく同意した旨を記載した登記原因証明情報を提供してした所有権移転登記(いわゆる中間省略登記)の申請に対し,登記官が,申請情報の内容と登記原因証明情報の内容とが合致せず,不動産登記法25条8号の却下事由に該当するとしてした却下処分の取消請求につき,同法61条が,登記申請の際に,登記原因証明情報を提供しなければならないものとし,同法25条8号が,申請情報が登記原因証明情報と合致しない場合に登記申請を却下しなければならないとした趣旨は,物権変動を公示する制度である登記について,登記申請者に,物権変動の原因行為とこれに基づく物権変動を証明する登記原因証明情報を登記所に提供させ,これが申請情報と異なる場合には申請を却下することによって,登記が公示する物権変動の内容の正確性を確保しようとするものであるところ,前記申請において,登記原因証明情報として登記所に提供した所有権移転登記の登記原因は,登記義務者である甲から登記権利者である丙に対する建物の所有権移転という物権変動の原因行為であり,具体的には,甲から乙への売買と,乙から丙への売買であるということになるが,他方,申請情報に記載されており,それが受理されれば登記の内容として公示されることになる登記原因は,甲から丙に対する売買であって,申請情報と登記原因証明情報に記載された登記原因が異なることは明らかであるから,前記処分は適法であるとして,前記請求を棄却した事例

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