裁判例結果詳細
行政事件 裁判例集
- 事件番号
平成19(行ウ)35
- 事件名
違法確認請求住民訴訟事件
- 裁判年月日
平成20年4月22日
- 裁判所名
福岡地方裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
1 市が,市道の隣接地所有者との間でした同市道と同隣接地の境界確認協議が,住民訴訟の対象となる財務会計上の行為に当たるとされた事例
2 市が,市道の隣接地所有者との間でした同市道と同隣接地の境界確認協議が対側地所有者の同意,承諾を欠き無効であると主張して,市長が前記隣接地所有者に対し前記協議に基づく境界と本来あるべき境界との間の土地上の工作物の収去及び同土地の明渡請求を怠っていることの違法確認を求める訴えが,却下された事例
- 裁判要旨
1 市が,市道の隣接地所有者との間でした同市道と同隣接地の境界確認協議につき,市における公有財産の取得,管理,処分等その他公有財産の取扱いに関する事務を定めている市公有財産規則の規定によれば,前記協議は,市と隣接地所有者とが対等の立場で所有権の範囲について協議するものであって,私法上の契約の性質を有し,両者の合意により境界に関する協議が調った場合には,これにより公有地と隣接地との所有権の範囲が確定されるものと解するのが相当であるから,住民訴訟の対象となる財務会計上の行為に当たるとした事例
2 市が,市道の隣接地所有者との間でした同市道と同隣接地の境界確認協議が対側地所有者の同意,承諾を欠き無効であると主張して,市長が前記隣接地所有者に対し前記協議に基づく境界と本来あるべき境界との間の土地上の工作物の収去及び同土地の明渡請求を怠っていることの違法確認を求める訴えにつき,前記境界確認協議は財務会計上の行為に当たり,市監査委員が市長の怠る事実の監査をするに当たっては,前記境界確認協議が財務会計法規に違反して違法であるか否かの判断をしなければならない関係にあるというべきであるから,前記訴えに先立つ住民監査請求については,前記境界確認協議のあった日又は終わった日を基準として地方自治法242条2項本文の規定を適用すべきであり,前記期間を徒過してされた前記監査請求は不適法であるとして,前記訴えを却下した事例
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