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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成20(行ス)1

事件名

 執行停止決定に対する即時抗告事件(原審・岡山地方裁判所平成20年(行ク)第2号)

裁判年月日

 平成20年4月25日

裁判所名

 広島高等裁判所  岡山支部

分野

 行政

判示事項

 介護保険法77条1項及び115条の8第1項に基づく指定居宅サービス事業者及び指定介護予防サービス事業者に係る指定取消処分の効力停止の申立てが,認容された事例

裁判要旨

 介護保険法77条1項及び115条の8第1項に基づく指定居宅サービス事業者及び指定介護予防サービス事業者に係る指定取消処分の効力停止の申立てにつき,前記各処分が行われることによって,事業所は,介護に係るサービス費に当たる金員を請求することができなくなり,実質的に介護サービスの提供を継続することが不可能となる結果,初期投資の回収が困難となり,市に対して開設から受給した介護サービス費全額等を支払わなければならないなど,前記会社の経営に多大な影響を与えると認められ,また,前記各処分に伴い,いったん事業所が閉鎖されることになれば,利用者は当然にほかの施設に移動することとなり,仮に本案判決によって前記各処分が取り消されたとしても,前記会社が利用登録者を再び獲得することが困難となることが予測されるところ,これらの損害は,理念的には金銭賠償が可能であるといえるとしても,前記会社が前記各処分によって被る損害は,これに止まらず信用毀損等多方面に広がるといえ,それを適切に評価することは社会通念上極めて困難であり,また回復のためには,国家賠償請求等による事後的な訴訟を提起しなければならない可能性が高い上,国家賠償法は過失責任主義を採っていることから前記各処分が違法であれば常に金銭賠償を得ることができるとは一概にいえないことからすれば,重大な損害を避けるため緊急の必要があるといえるなどとして,前記申立てを認容した事例

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