裁判例検索

裁判例結果詳細

行政事件 裁判例集

事件番号

 平成19(行ウ)113

事件名

裁判年月日

 平成20年1月25日

裁判所名

 東京地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 死刑確定者が行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律に基づいてした,拘置所において同人が受けた医療に関する保有個人情報の開示請求が,同法45条1項の対象となるといわざるを得ないとして,棄却された事例

裁判要旨

 死刑確定者が行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律に基づいてした,拘置所において同人が受けた医療に関する保有個人情報の開示請求につき,同法45条1項が,刑事事件に係る裁判のうち,裁判を受けた者に係るものについて,開示請求等の法の規定を適用しないと定めた趣旨は,これらの保有個人情報には,本人の前科,前歴,逮捕歴,勾留歴等を示す情報が含まれており,これらの保有個人情報を開示請求等の対象とすると,本人の前科等が本人以外の者に明らかとなる危険性があり,本人の社会復帰や更生保護を図る上で本人の不利益になるおそれがあるため,このような弊害を防止しようとするところにあるものと解され,また,死刑確定者として刑事施設に収容されている者についても,再審等による社会復帰の可能性があることを考えると,前記のような不利益を受ける危険性がないとはいえないから,同項の適用があるものと考えられるとした上,このような立法趣旨に照らせば,それを特別に許容すべき法律上の手当が何ら存在しない以上,刑事収容施設の被収容者に対して講じられた医療上の措置に係る個人情報で刑事収容施設が保有するものについては,同法45条1項の対象となるといわざるを得ないとして,前記請求を棄却した事例

全文