裁判例検索

裁判例結果詳細

行政事件 裁判例集

事件番号

 平成19(行ウ)159

事件名

 町議会議員辞職許可無効確認等請求事件

裁判年月日

 平成20年5月16日

裁判所名

 大阪地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 1 行政処分の取消訴訟と無効確認訴訟とを併合提起することの可否
2 町議会議長がした町議会議員の辞職許可処分の取消請求が,認容された事例
 

裁判要旨

 1 救済を求める者が行政処分の無効確認判決により得る利益と取消判決により得る利益とは結局において異なるところがなく,出訴期間等の観点から取消訴訟を提起し得る状況にあるのであれば,取消訴訟の方が有利であるということができるから,行政処分の取消訴訟に併合提起された同処分の無効確認訴訟は,特段の事情のない限り,訴えの利益を欠き,不適法である。
2 町議会議長がした町議会議員の辞職許可処分の取消請求につき,地方自治法126条は,住民の直接選挙によって選出された議員が,自己の恣意に基づいてみだりに辞職することを抑止するとともに,議員の辞職に正当な理由があるか否かの判断を,選挙権を有する住民に代わって議会ないしその代表者である議長にゆだねたものと解されるところ,地方公共団体の議会の議員の地位は,代表民主主義制度の下においてその権限の適切な行使により選挙人の負託にこたえ,選挙人の参政権を全うならしめるという重要な職責を伴うものであり,議員に辞職に正当な理由があるか否かは,前記のような議員の地位の性格及びその職責の重要性に照らして判断すべきであるとした上,前記議員の辞職は,その地位を自己のパフォーマンスの一手段とするものである点において,その職責にもとるものであって正当な理由を欠き,前記議長はその経緯を知り又は容易に知ることができながら前記処分をしたものであるから,同処分は,地方自治法126条により議長に付与された裁量権の範囲を超え,又はこれを濫用したものであるとして,前記請求を認容した事例
 

全文