裁判例結果詳細
行政事件 裁判例集
- 事件番号
平成19(行コ)345
- 事件名
公文書非公開処分取消請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成18年(行ウ)第694号)
- 裁判年月日
平成20年5月29日
- 裁判所名
東京高等裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
特定の国会議員が米国を訪問した際に在米日本大使館が行った会食及び供応に関する支出証拠等の開示請求に対し,行政機関の保有する情報の公開に関する法律8条に基づき,その存否を答えるだけで同法(平成17年法律第102号による改正前)5条3号及び同条6号に規定する不開示情報を開示することとなるとしてした不開示処分が,違法とされた事例
- 裁判要旨
特定の国会議員が米国を訪問した際に在米日本大使館が行った会食及び供応に関する支出証拠等の開示請求に対し,行政機関の保有する情報の公開に関する法律8条に基づき,その存否を答えるだけで同法(平成17年法律第102号による改正前)5条3号及び同条6号に規定する不開示情報を開示することとなるとしてした不開示処分につき,同法8条に基づいて,行政文書の存否を明らかにしないことが許されるのは,当該行政文書の存否を回答すること自体から不開示情報を開示したこととなる場合や,当該行政文書の存否に関する情報と開示請求に含まれる情報とが結合することにより,当該行政文書は存在するが不開示とすると回答するか,又は当該行政文書は存在しないと回答するだけで,不開示情報を開示したことになる場合に限られると解するのが相当であるとした上,在外公館が国会議員のために飲食を伴う会合を開催するのは,我が国政府関係者が我が国の国会議員と連携して行う情報収集,外交交渉等の外交活動の一環又はその準備若しくはその後の対応の検討のために公にすることを前提としないで開催する場合に限られないから,前記文書の存否を回答し,会合の存在自体が明らかになったとしても,その内容を明らかにしない限り,それが公にすることを前提とするものか否かが明らかになるとは認め難いから,存否を回答すること自体から直ちに,公にすることを前提としない会合の存否を開示したことになるということはできず,また,当該行政文書の存否に関する情報と開示請求に含まれる情報とが結合することにより,不開示又は不存在と回答することだけで同会合の存否を開示したことになると認めることもできないなどとして,前記処分を違法とした事例
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