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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成20(行コ)31

事件名

 在留特別許可義務付け請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成19年(行ウ)第473号)

裁判年月日

 平成20年5月21日

裁判所名

 東京高等裁判所

分野

 行政

判示事項

 在留特別許可の義務付けの訴えが,行政事件訴訟法3条6項1号に規定するいわゆる非申請型義務付けの訴えであるとされた上,不適法とされた事例

裁判要旨

 出入国管理及び難民認定法24条1号に該当するとされたフィリピン共和国国籍を有する外国人が,同法49条1項に基づく異議の申出には理由がない旨の裁決を受けて退去強制令書発付処分を受けた後提起した在留特別許可の義務付けの訴えにつき,同法50条1項柱書及び61条の2の2第2項が定める在留特別許可は,法務大臣が,退去強制対象者と認められた外国人,あるいは,難民の認定がされず又は難民の認定はされたが定住者の在留資格の取得が許可されなかった在留資格未取得外国人に対し,恩恵的措置としてその在留を特別に許可するものであって,本邦にある外国人に在留特別許可を申請する権利はなく,行政事件訴訟法3条6項2号にいう「法令に基づく申請」なるものは存在しないから,前記訴えは,同項1号に規定するいわゆる非申請型義務付けの訴えであるとした上,前記裁決の効力が存続している状態においては,これと矛盾する処分である在留特別許可を法務大臣が行うことはできず,在留特別許可をするためには,前記裁決の効力を失わせ,改めて裁決が行われる機会を設けなければならないところ,前記訴えは,前記裁決が適法であることが前訴において確定している状態で,法律上,前記裁決の撤回を義務付けられるのでなければ,前記裁決と矛盾する処分をし得ない法務大臣に対して,いきなり在留特別許可をすることの義務付けを求めるものであって,当該行政庁が適法に当該行政処分を行うための前提要件が欠けた状態のままにその義務付けを求めるものであるから,訴えとしての適法要件を欠くとして,前記訴えを不適法であるとした事例

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