裁判例結果詳細
行政事件 裁判例集
- 事件番号
平成19(行コ)17
- 事件名
消費税決定処分等取消請求控訴事件(原審・福井地方裁判所平成17年(行ウ)第5号)
- 裁判年月日
平成20年6月16日
- 裁判所名
名古屋高等裁判所 金沢支部
- 分野
行政
- 判示事項
1 破産法人である株式会社に対して行われた,同社が破産宣告後の課税期間中に国内において行った課税資産の譲渡等に係る,消費税等の決定処分及び無申告加算税の賦課決定処分が,適法とされた事例
2 破産法人である株式会社に対して行われた,同社が破産宣告後の課税期間中に国内において行った課税資産の譲渡等に係る,消費税等の決定処分及び無申告加算税の賦課決定処分について,同社が有する同社の破産した関係会社に対する売掛債権(税込譲渡額)には消費税法39条1項が適用されるため,前記課税期間中の課税資産の譲渡による消費税の申告及び納付の義務を負わないなどとしてした前記各処分の取消請求が,棄却された事例
- 裁判要旨
1 破産法人である株式会社に対して行われた,同社が破産宣告後の課税期間中に国内において行った課税資産の譲渡等に係る,消費税等の決定処分及び無申告加算税の賦課決定処分につき,破産者は,あくまで破産財団の管理処分権を喪失するにすぎず,その財産の帰属主体たる地位や所有権を喪失するものではなく,破産手続終了後に残余財産が存在すれば,その管理処分権を回復するし,破産管財人の行った換価処分の効果は,すべて破産者に帰属するというべきであることなどから,破産財団は,破産法人の基準期間における課税売上高を引き継がない別の法的主体と解することはできず,破産法人が消費税法上の「事業者」として消費税の納税義務を負うと解するのが相当であるとして,前記各処分を適法とした事例
2 破産法人である株式会社に対して行われた,同社が破産宣告後の課税期間中に国内において行った課税資産の譲渡等に係る,消費税等の決定処分及び無申告加算税の賦課決定処分について,同社が有する同社の破産した関係会社に対する売掛債権(税込譲渡額)には消費税法39条1項が適用されるため,前記課税期間中の課税資産の譲渡による消費税の申告及び納付の義務を負わないなどとしてした前記各処分の取消請求につき,前記会社は,消費税法39条1項に規定する債権につき同項に規定する事実が生じたことを証する書類を整理し,これらを税務職員による検査に当たって適時に提示することが可能なように所定の期間及び場所において態勢を整えて保存しておらず,同条2項にいう「書類を保存しない場合」に該当すると認められるから,前記会社の有する前記売掛債権(税込譲渡額)には消費税法39条1項の規定は適用されないものというべきであるとして,前記請求を棄却した事例
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