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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成19(行ウ)745

事件名

 児童福祉施設入所措置決定取消請求事件

裁判年月日

 平成20年7月11日

裁判所名

 東京地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 児童福祉法28条1項1号に基づく家庭裁判所の承認の審判を得た上でなされた児童福祉施設への入所措置決定の取消しを求める抗告訴訟において,家庭裁判所の審判の適法性等を争うことの可否

裁判要旨

 児童福祉法において,保護者である親権者等の意に反して施設入所等の措置を採ることにつき家庭裁判所の承認の審判を条件としているのは,施設入所等の措置が,親権者等の監護権等の制限のみならず,児童の身体の拘束等も伴う措置であることから,同法28条1項所定の親権者等による監護の継続が著しく児童の福祉を害するとの要件の認定,判断に加え,児童の福祉,親権者等の権利及び双方の比較衡量の総合的な観点からの当該措置の相当性の判断を,行政機関ではなく,親権の行使及び未成年後見について監督的立場にある家庭裁判所の専権にゆだねることにより,児童の福祉の保護及び親権又は後見の擁護の各要請を適切かつ調和的に確保する趣旨であると解されることからすると,?同28条1項所定の要件の有無及び当該措置の相当性といった承認の実体要件のみならず,?審判の手続要件を含め,当該審判手続及びその上訴審手続で争うことができる事由については,承認の審判が有効に確定した場合には,親権者等は,入所措置決定の取消しを求める抗告訴訟等の後行の手続において,これらの不服を主張して確定審判の適法性を争うことはできず,また,前記?の実体要件についても,確定審判の基準時以前の事情に基づき確定審判の認定,判断に反する主張をしてこれを争うことはできない。

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