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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成17(行ウ)7

事件名

 損害賠償請求(差戻)事件

裁判年月日

 平成21年1月30日

裁判所名

 佐賀地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 県が複写機リース会社に支払った複写機使用料の一部が同使用料名下に水増しされた違法な支出であるとして,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前)242条の2第1項4号に基づき,県知事であった者個人に対してされた損害賠償請求が,認容された事例

裁判要旨

 県が複写機リース会社に支払った複写機使用料の一部が同使用料名下に水増しされた違法な支出であるとして,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前)242条の2第1項4号に基づき,県知事であった者個人に対してされた損害賠償請求につき,複写機リース契約上,県が支払義務を負わないにもかかわらず,複写機使用料名下に公金が支出されたことは明らかであるところ,地方公共団体の長の担当事務には,地方自治法149条2号にいう「予算を調製し,及びこれを執行すること」が含まれており,これは予算の適正な執行を指すものであるから,県の予算につき全て消化したように見せかけるいわゆるゼロ精算の扱いがされていたことを熟知していたと推認できる当時の県知事は,食糧費等の不適切な支出が指摘された時点で,他の需用費についても不正支出が行われていることを具体的に予見可能であり,ゼロ精算という観点からの不正支出の有無につき当然に調査する指揮監督上の義務があったにもかかわらず,これを怠った過失があり,これにより県に損害を生じさせたとして,複写機リース会社からの返還額等による損益相殺後の損害額につき前記請求を認容した事例

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