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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成19(行ウ)5

事件名

 文書非開示処分取消請求事件

裁判年月日

 平成19年7月17日

裁判所名

 岡山地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 岡山県行政情報公開条例(平成8年3月26日岡山県条例第3号)6条に基づいてされた,特定の個人を窃盗犯人として逮捕した事件に係る捜査費関係書類の開示請求に対し,同文書が存在しているか否かを答えるだけで,非開示情報を開示することになるとして,前記条例10条に基づき,県警察本部長がした同文書を開示しない旨の処分が,違法とされた事例

裁判要旨

 岡山県行政情報公開条例(平成8年3月26日岡山県条例第3号)6条に基づいてされた,特定の個人を窃盗犯人として逮捕した事件に係る捜査費関係書類の開示請求に対し,同文書が存在しているか否かを答えるだけで,非開示情報を開示することになるとして,前記条例10条に基づき,県警察本部長がした同文書を開示しない旨の処分につき,前記文書の存否が明らかになることにより,容疑者である特定の個人が窃盗事件により逮捕された事実の有無が判明することとなるところ,同情報は,前記条例7条2号所定の個人識別情報又は権利利益侵害情報に該当するが,前記事件の捜査本部は報道機関に対し2回にわたって前記容疑者の逮捕と追送検の事実を公表し,報道機関がそれぞれその事実を実名報道しており,また,捜査機関が報道機関に対し,現に捜査中の被疑者及び被疑事実等を公表し,これが報道機関により報道されることは,一般に,慣行として広く行われているところであり,かかる慣行が社会的にも定着し,許容されていることは公知の事実というべきであるから,前記容疑者に係る前記情報は,同号ただし書イ所定の「慣行として公にされた情報」と認められ,また,前記開示請求がされたのが,判決公判の報道がされた約4か月後にすぎないことからすると,同事件は未だ世人に周知の事件というべきであるから,県警察本部長が周知性を喪失しているものと判断したことは,合理的な裁量の範囲内にあるということはできないとして,前記処分を違法とした事例

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