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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成19(行ケ)10

事件名

 裁定取消請求事件

裁判年月日

 平成19年7月30日

裁判所名

 東京高等裁判所

分野

 行政

判示事項

 農地法(平成19年法律第48号による改正前)5条1項に基づく農地一時転用許可申請の不許可処分に係る取消裁定申請に対し,公害等調整委員会がした却下裁定の取消請求が,棄却された事例

裁判要旨

 砂利採取業者が,農地において砂利採取を行うためにした農地一時転用許可申請の不許可処分について,公害等調整委員会に対し,取消裁定申請をしたところ,公害等調整委員会には管轄がないとして却下裁定がされたことから,同却下処分の取消を求めた請求につき,公害等調整委員会は,土地利用の調整を図ることを目的とし,その目的を達成するために必要な専門性・技術性及び独立性を有する準司法機関であり,その専門性・技術性は,土地利用調整制度においては,鉱業,採石業又は砂利採取業と一般公益や他の産業との間の土地利用について判断するためにあると考えられるところ,鉱業等に係る土地利用の調整手続等に関する法律(平成17年法律第69号による改正前)1条2号に列挙されたイ,ロ,リを除く各項目所定の法条において,「鉱業,採石業又は砂利採取業との調整に関するもの」とされているのは,上記各法条に定められた処分のうち,鉱業,採石業又は砂利採取業と一般公益や他産業との間の土地利用の調整が判断の対象となる場合について,公害等調整委員会に裁定申請することができるとしたものと解すべきであるとした上,前記不許可処分の理由は,農地法(平成19年法律第48号による改正前)5条2項3号に規定する「申請に係る農地を農地以外のものにする行為を行うために必要な信用があると認められないこと」に該当し,「申請に係る農地のすべてを当該申請に係る用途に供することが確実と認められない」ためというものであって,これは土地利用調整にかかわる判断事項ではなく,農地法固有の判断事項というべきであり,公害等調整委員会が裁定すべき事項には当たらないから,前記裁定申請は,農地法85条6項所定の「鉱業,採石業又は砂利採取業との調整に関するもの」には該当しないというべきであり,これを却下した裁定は相当であるとして,前記請求を棄却した事例

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