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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成18(行ウ)63

事件名

 事業認可処分取消請求事件

裁判年月日

 平成21年2月26日

裁判所名

 名古屋地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 1 一部高架式の道路の設置を内容とする都市計画事業の事業地の周辺住民がした,同事業計画の変更認可の取消しの訴えにつき,原告適格が認められた事例2  一部高架式の道路の設置を内容とする都市計画事業について,事業施行期間を4年間延伸した事業計画の変更認可が,適法とされた事例

裁判要旨

 1 一部高架式の道路の設置を内容とする都市計画事業の事業地の周辺住民がした,同事業計画の変更認可の取消しの訴えにつき,都市計画事業の事業地の周辺に居住する住民のうち当該事業が実施されることにより大気汚染,騒音,振動等による健康又は生活環境に係る著しい被害を直接的に受けるおそれのある者は,当該事業の認可の取消しを求めるにつき法律上の利益を有するとした上,前記の周辺住民は,前記都市計画事業に係る事業地が属する町又は字の区域に居住するものであるから,前記変更認可による前記都市計画事業によって,大気汚染,騒音,振動等による健康又は生活環境に係る著しい被害を直接的に受けるおそれのある者に当たるとして,前記周辺住民の原告適格を認めた事例2 一部高架式の道路の設置を内容とする都市計画事業について,事業施行期間を4年間延伸した事業計画の変更認可につき,都市計画法上,事業計画の変更認可の場合においても,設計の概要について省令で定める軽易な変更をしようとする場合を除き,同法61条1号にいう事業の内容が都市計画に適合することという要件を満たすことが求められており,ここにいう「事業の内容」とは,変更部分のみの事業を指すのではなく,変更後の事業計画全体を指すものと解されるから,認可を行う行政庁は,当初の認可の段階にとどまらず,変更認可の段階においても,既に当初の認可があることを踏まえつつ,変更後の事業計画全体が都市計画に適合するか否かの判断をすることが求められるところ,従前の都市計画事業の認可又は従前の事業計画の変更認可について出訴期間を経過し,現時点においては不可争力が生じており,何人もこれらの処分が違法であることを主張してその取消しを訴求することができない以上,当該事業計画の変更が,施行場所の一部分又は事業施行期間の延伸等にとどまり,従前の事業計画全体に影響を及ぼすような内容を含むものではないとの事情のもとでは,処分行政庁としては,前回の認可処分後において当該都市計画事業の全体を見直さなければならないような客観的な事情の変更が生じたような場合を除き,既に不可争力が生じている認可処分のうち,当該事業計画の変更によって変更されない部分が適法であることを前提として,事業計画全体の適合性を審査することなく,当該事業計画の変更における変更部分のみについて都市計画との適合性を審査したとしても,それをもって,裁量権の逸脱又は濫用があったということはできないとして,前記変更認可を適法とした事例

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