裁判例検索

裁判例結果詳細

行政事件 裁判例集

事件番号

 平成19(行ウ)1

事件名

 水路使用許可請求事件

裁判年月日

 平成20年11月14日

裁判所名

 新潟地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 市内において養豚業等を営む者が,豚舎に通じる通路の一部を敷設するため,新発田市公共用財産管理条例(平成14年条例第18号)及び同施行規則(平成14年規則第13号)に基づき,市の管理に係る水路の一部の使用許可申請に対する不許可処分の取消請求及び同市長に対する前記許可の義務付け請求が,いずれも認容された事例

裁判要旨

 市内において養豚業等を営む者が,豚舎に通じる通路の一部を敷設するため,新発田市公共用財産管理条例(平成14年条例第18号)及び同施行規則(平成14年規則第13号)に基づき,市の管理に係る水路の一部の使用許可申請に対する不許可処分の取消請求及び同市長に対する前記許可の義務付け請求につき,市の公共用財産の目的外使用について,公共用財産としての用途又は目的を妨げるものであればその使用を許可することができないことは明らかである一方,そのような事情がないからといって当然に許可しなくてはならないものではなく,公共用財産としての用途・目的,目的外使用の目的・態様等を考慮し,地域の実情に即した合理的な裁量判断により使用許可をしないこともできるが,市長の裁量権の行使に当たり裁量権の逸脱又は濫用があった場合には,許可しない処分は違法となるとした上で,水路の一部について通路としての使用を許可しても,公共用財産の用途又は目的を妨げないこと,農場から公道への通路を安定的に確保するために水路の一部を使用して通路を敷設する必要性が大きいこと,豚舎の臭気が悪臭防止法に基づく規制基準を常に達成しているわけではなく,周辺住民からの苦情や陳情等があったものの,臭気が改善傾向にあったこと等からすれば不許可処分をすることは余りにも酷であるし,臭気の問題は水路の用途・目的とは直接の関連性がないから,臭気の問題を重視すべきではないこと及び前記申請が別件の和解を骨抜きにするなど不正な動機に基づくものであるとは認められないことを考慮すると,前記申請を不許可とした市長の判断は,重視すべきでない事項を重視し,他方,当然考慮すべき事項を十分考慮しておらず,その結果,社会通念に照らし著しく妥当性を欠いたものということができ,前記不許可処分は,裁量権の範囲を超え,又はその濫用があったものとして違法であるとして,前記請求を認容した事例

全文