裁判例結果詳細
行政事件 裁判例集
- 事件番号
平成20(行ウ)114
- 事件名
政務調査費返還命令処分取消請求事件
- 裁判年月日
平成20年11月28日
- 裁判所名
東京地方裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
区民であり区議会議員である者が区長から交付を受けた政務調査費から住民訴訟の提起及び遂行のためにした支出が違法又は不当な支出であるとしてされた政務調査費の一部の返還を命ずる処分の取消請求が,認容された事例
- 裁判要旨
区民であり区議会議員である者が区長から交付を受けた政務調査費から住民訴訟の提起及び遂行のためにした支出が違法又は不当な支出であるとしてされた政務調査費の一部の返還を命ずる処分の取消請求につき,政務調査費からの支出が区政の調査研究に資するために必要な経費以外の経費に係る支出であるか否かは,区の定める使途基準及び区議会運営委員会の定める申合せ事項に反するか否かを基準に判断するのが相当であるとした上,地方財務行政の適正な運営を確保するという目的を有する住民訴訟の提起及び遂行は,議員による区政に関する調査研究活動と,その目的において重なり合いを有するところ,住民訴訟の提起及び遂行並びに住民訴訟によって得た情報等に基づく様々な活動が区政の調査,研究及び追求のための重要な手段となっていること,住民訴訟の提起及び遂行は,特に議会において多数会派に所属しない議員にとって区政の調査及び追求をするための有効な手段となり得るものであって,住民に対する影響力も大きいこと,前記申合せ事項には政務調査費から住民訴訟についての経費を支出することが許されない旨の定めがないことに加え,住民訴訟の提起及び遂行によって得た情報等を基に,区の事務について議会における追求や区民に対する情報提供等が積極的に行われていることを考慮すると,前記支出は前記使途基準が定める調査研究費に該当するとして,前記請求を認容した事例
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