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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成20(行ウ)176

事件名

 行政文書不開示決定処分取消請求事件

裁判年月日

 平成20年11月27日

裁判所名

 東京地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 労働基準監督署が特定の事業場に交付した監督復命書及び指導票に記載された情報が,行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条2号イ所定の不開示情報(法人等情報)に該当するとされた事例

裁判要旨

 労働基準監督署が特定の事業場に交付した監督復命書及び指導票に記載された情報につき,監督復命書及び指導票の各記載には,臨検,調査を行った労働基準監督官が前記事業場には,時間外割増賃金(労働基準法37条)が支払われた時間以上の時間外労働がされている実態があり,前記事業場における従業員の労働時間の把握,管理の態勢に問題がある旨を指摘し,前記事業場に改善を求めたという内容のものであり,こうした内容が公表されれば,前記事業場が,労働基準法を遵守せず,あるいは軽視して経営を行い,従業員の労働時間の管理の態勢に問題がある事業場であるという評価がされ,前記事業場の社会的な信用が低下することは避けられず,また,近時においては,一般に法令を遵守した経営が強く求められており,法令不遵守を理由とする社会的信用の低下は,前記事業場の取引関係にも悪影響を生じさせることになると考えられ,しかも,前記事業場は,法令上,前記の指導の事実や内容を公表されることによって社会的信用が低下すること等の不利益を甘受しなければならない理由はなく,公にすることにより前記事業場の競争上の地位その他正当な利益を害する客観的な蓋然性が認められるとして,前記情報が,行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条2号イ所定の不開示情報(法人等情報)に該当するとした事例

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